1月23日 日曜日

2021年下半期の文芸賞が発表されました。そういえば昨年の今頃は2020年下半期の芥川賞作品である「推し、燃ゆ」で盛り上がっていました。2021年の上半期受賞作も手元にあるのですが、まだ1冊も手を付けられていません・・・なので今期の受賞作は今のところノーコメントとなります(選考に漏れたのですが「同志少女よ、敵を撃て」だけカートに入ってます)。読み書きつながりのネタですが、最近のツイッター・医クラ・留学PhDクラ界隈でちょっと話題になっていたのですが。院生になって、いきなり論文書けって言われるけど、論文のライティング技術について本格的な指導を受けたことないよね・・・というのがあります。思い起こせば、小学校の時の宿題の定番である、作文とか読書感想文だって同じではなかったでしょうか?先生からいきなり「書きなさい」と言われるのです。随分乱暴な指導ですね。普通野球だって、サッカーだって、練習着をそろえて、ルールを学んで、基本的な技術を教えてもらってから最後に試合だったような気がします。体育の授業の球技って、逆にそういうことばかりで、子供たちは「早く試合したいのに・・・」って思いながら先生の話を聞いていたような気がします。体育と作文、指導方法逆じゃね・・・?って、今の私は考えます。そもそも作文がどうして苦手だったのか思い起こしてみましょう。白紙の紙を前にして鉛筆がぴたりと止まっている子供たちに向かって先生がかける言葉は、ほぼ決まっています。「悩まずに、自分の思っていることをそのまま書けばよいのだ」その言葉が呪いになっているのではないでしょうか?子供は賢いですから、思っていることなんてそのまま書いてしまえば、どやされるに決まっていることがわかります。今の私だって、普段思っていることをそのまましゃべってしまうと、対人関係とか患者さんとの関係が無茶苦茶になると思います。そこでいつもとちがう言葉を並べることになるのです。作文指南、むずかしいですね。やはりライティングの基本的なお作法を教えてあげることが必要だと思います。そのうえで・・・自分の思っていることをそのまま書こうなどというおぞましいお題を出すことはやめましょう。代わりに・・・自分から少し離れることをお勧めしたいと思います。例えば・・・あなたが今日本の総理大臣だったとしたらとか、自分がもしも空を飛んでいるカラスだったらとか(カラスは鳩でもトンビでもなんでもかまいませんね)。医師である私として思いつくテーマだったら、健康診断で高血圧を指摘されてこられた患者さんに対してこれをお願いしてみたいと思います。「あなたが今自分の心臓だったら、どう思いますか?1000字以内で述べてみなさい」例えば・・・体重が標準体重を上回ること30㎏、塩分は標準摂取量の3倍、体の隅々までに酸素を供給するために、向かい風180mmHgのところを1分間に60回の拍動で血液を送り出さないといけないという過酷なミッションを24時間365日無休で行使しないといけないのです。・・・これはかえってむずかしいですかね?「つらい。」のひとことだけしか書けないかもしれません。今日言いたかったことは・・・むやみに子供たちに自分の心の内をさらけ出させるのを強いることも、一つのハラスメントになるのかもしれないな~っていう思い付きギモンです。おおげさに過ぎるでしょうか?!

 

 

今日の目標・・・ドーナツを買って来てたべよう!