7月11日 月曜日 晴れ

先生、ちょっとエラいんですわ・・・。と、言いながら来られるのである。

そして、そこから始まる翻訳作業。このエラいは・・もちろん” 偉い “ではないのだ。ぜえぜえ、はあはあ、 そう エラいのである。

種明かし その①:その前に食べた食事が◯◯で、その後からムカツキとか、お腹をこわしたりとかして・・・エラいのであった。 その②:もともと呼吸器疾患である喘息があって・・・昨日の夜から呼吸困難があって苦しくって、エラいのであった。 その③:一見したところ、青白いお顔の色で、あっかんべーをすると、眼瞼結膜の蒼白所見があり、貧血で・・・エラいのであった。 その④:特別食事ができない訳でもなく、呼吸困難がある訳でもなく、お腹が痛む訳でもなく・・・・よ〜く見ると、白目が黄色くって・・・黄疸があってエラいのだった。 その⑤:朝から畑仕事に精を出して、汗水流しながら草取りをして・・・お家に帰ってきたら、ぜんぜん水を飲んでいないことに気づいて、気づいた時には脱水症状で・・・エラいのだった、っていうか低血圧と頻脈と体温上昇で・・・倒れる寸前、で、エラいのだった。 その⑥:診察しても異常はなくって、検査をしても異常はなくって、なんとなくしんどいので・・・エラいので、ちょっと病院でも行ってみようかな・・・と思いながら診察を受けに来たのであった。

ぜ〜んぶ、取っ掛かりは「先生、エラいんですわ・・・」 で、ある。

そのひとことで診察が始まって・・・必至でその真意を問いながら、所見を取りながら、それなりの解答に至るのだ。さて、今日はいくつの正解と過ちをおかしたのだろうか・・・。そんなことを、自問しながら日々は過ぎていくのだ。時々、心の中のかんしゃく玉が、小爆発をおこして聞いてしまう・・・

「そのエラい・・・できるだけ、具体的に言葉で表現してもらえませんか!!?」

身も蓋もない・・・イラチな問いかけ(泣)