7月8日 月曜日 梅雨明け

「日本には経済や国家観を語る歴史家がいない。」最近たびたび耳にする言葉である。平川克美さんなどは、今メディアに引っ張りだこの経済学者あるいはコメンテイターには、それこそ経済だけしか見ていない、近視眼的なものの考え方をする人が多すぎると述べておられる。多くのアンチグローバリストの方便としては、①日本の国民総生産の約6割は国内消費で占められているという事実がある②故にその1割しか占めていない貿易収支で、いくら輸出企業を応援しても仕方がなく、国内消費を上昇させる方策に目を向けるべきである③しかれども、国内消費の担い手である日本の人口は右肩下がりのフェーズに突入しておりこれはどうしようもない事実である。少なくとも30年後には高齢者が、そのまた高齢者を養わねばならないという現実に直面するのである。ここにはどう考えても国内消費量の増加は見込めないであろう④しからば、30年後にもサステイナブルな経済成長などというものはあり得ないではないか。というのがその論法である。私はこの論法を否定するすべを持たないものであり、アンチグローバルなものの考え方を支持する所以がここにある。もちろん色々な意見が他にある事は承知しており、それを無下に否定するつもりも無いが、私は種々の物事を考えて行くその土台は、これに立脚していきたいと考えている。一方でグローバリゼーションは世の流れとして仕方のないものであり、この流れに棹さす事にまったくやぶさかではない。一開業医に経済がそれほど大事な事なのかとお考えの諸氏もおられると思うが、医療と経済は切っても切れない関係があり、医療人たるもの経済にある程度精通しておく事はとても大事な事であると思っている。経済の大きな流れで、一番に切り捨てられがちなもの、それは弱者であるからである。病に伏せる人々、それは弱者の最たるものであると考えるからである。社会福祉の担い手である医師たるもの、弱者の側に立ってつねに物事を考えなくてはならないというのが小生の数少ない持論である。そんなこと言いながら、Mバーガーは大好きであるし、往診途中で一休みするコンビニのイートインコーナーでのひとときがささやかな楽しみであったりするのだが・・・。

おべんとう

世のお母さんの大変さを体験しましょうということで・・・お弁当作りに挑戦しました。まあ野菜とお肉を切って炒めただけのものに、ミッフィーかまぼこという飛び道具を使用した安直なものでありますが。

タイトルは何だったのでしょうか??そうそう、良く新入生や新入社員への言葉で、”ほうれん草を大切にしなさい”なんていうのがあるのですけれど、私はそれが今イチ好きになれないなあと思っていたのでした。ほうれん草って何じゃらほい?と仰る方もおられるかもしれませんが、いわゆる報告(ほう)連絡(レン)相談(草)っていうことですね。研修医にもこういう指導はたびたびなされる事があるのですが、研修医といえども立派な社会人なのですから、何を”ほうれん草”すべきなのかっていうことを自分の頭で考えて判断できなくては困りますね。すなわち「ほうれん草を大事に実行しなさい!」ではなくて何をほうれん草すべきなのか「自分で判断できるようになりなさい」というのが真に大切なメッセージであるべきなのではないかと思うわけです。であれば何もほうれん草などとおもしろおかしい比喩を用いなくても良いのではないかなあと・・。それよりも、こういう指導の背景には、ワシに相談も無くこんな事しよってからに・・っていう含意が込められている事が多いので、そういう父権主義的なものの考え方をするマッチョな指導医にもついて行けないのであります(困)。