2月23日 火曜日

今日は祝日です。朝からパンとコーヒー食べて音楽を聴いています・・・いつものことですけど。昨日の患者さんとのワクチントークで二人の異なる方から伺った気になることがあります。それはですね、ワクチンが筋肉注射で痛そうで、垂直に針を刺されて・・とかいうご発言でした。おそらくお昼のテレビ番組で同じ場面を見ておられたのではないかと勝手な推測をしています。たぶん当たっていると思いますけど、違っていたらTV局の方すみません。この話題、実はHPVワクチンの普及率と同じく、海外での常識はこの国の非常識の好例です。そもそも、ワクチンを大別しますと、生ワクチンと呼ばれる、ウイルスや細菌を弱毒化したものを用いた製剤と、不活化ワクチンと呼ばれる無毒化したものを用いる製剤の2種類があります。生ワクチンは不活化ワクチンに比べると刺激性が強いため、皮下注射でも免疫が容易に得られます。ところが不活化ワクチンは無毒化していますので、得られる免疫反応が生ワクチンに比して相対的に弱い可能性があるため、日本脳炎ワクチンや4種混合ワクチンなどのように、4回など複数回の注射を必要とします。海外ではその低い反応性をさらに高めるために、筋肉注射という方法を取っている国が多いのです。筋肉内にはいわゆる抗原提示細胞と呼ばれる免疫担当細胞が皮下組織より豊富に存在するために、より効率的な免疫効果が期待できるのです。日本では過去からの成り行きもあって、いまだに皮下注射という方法が主流となっています。冬にみなさんが良く接種をうけるインフルエンザワクチンだって不活化ワクチンなので、本来は筋肉注射の方が効果が高いということがわかっています。さらに皮膚が真っ赤に腫れあがってしまうという方もおられるでしょうけれど、そういった副反応も筋肉注射の方が少ないということもわかっています。なので!私たち医師の側からすると、筋肉注射を悪者にする(ちょっと比ゆ的ですが)理由がまったく見当たらないのです。ヤフーのバイライン記事にちょうど良いのがアップされていましたので、以下のリンクをお読みいただければと思います。私の稚拙な解説よりもより分かりやすく紙谷先生が解説されています。

新型コロナワクチンはなぜ筋肉注射なのか?

私はずっと前からインフルエンザワクチンを自分に (on my own responsibility!) 接種するときには・・・右手でシリンジをつかんで左の肩に垂直深くにブスッてやっています。