3月31日 水曜日

アメリカにいた時にスーパーの店頭にたくさんのりんごが山積みになっているのをよく見ました。こんなにもたくさんの種類があるのかと感心していましたが、片手で掴んで、さほど大きく口を開けなくても齧ることが出来たのは「honey crisp」という種類のものでした。働いていたラボでも、お昼時に廊下で小皿にりんごを乗せて、新聞を読みながら立ち食いをしているフェローがいたことを覚えています。それ、昼ごはんなの?って聞いたものです。私は、前日のご飯にミックスベジタブルと冷凍エビを混ぜてピラフだか焼き飯だかみたいなのをジップロックに入れて持っていくのが好きでした。なぜそんなお話になったのかと言うと、今日は朝お外に出た時に・・・これはまさに” crisp air “だなっと思ったからなのでした。

さてと・・・ネガティブ・ケイパビリティって聞かれたことありますか?精神科医で、作家でもある帚木蓬生さんの著書に「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」と言うのがあります。何かすぐには達成や解決が出来ない事態に陥った時に、その状況を受け止めて耐える、そして解決への模索を地道に続ける能力のことを言うのだそうです。これ、帚木さんが仰るように、医師として臨床をしながら40年(私の場合はもう少し短いですが)、常に自分の無能を突きつけられてきましたと言う言葉にすごく共感するのです。クリニックのブログにそんなこと書いてどないするねんと言うお叱りを受けそうですが、実際にそうだから仕方ないのです。だから私は、仕事の分野では、ネガティブ・ケイパビリティの能力「ありスギ君」なのです。一方で、生活の中での困りごとに対処できるかどうかと言うと、それはまた別のお話・・・。開業医をしていると、患者さんの体のお悩み事を聞くのが本筋なのですが、ちょっと関係のない、私生活の困りごとを教えてくださる方も結構いらっしゃいます。身体と生活って、私たち医師が考えているほど別のものではなく、むしろ表裏一体のものなのですね。心の悩みは身体に影響するのです。在宅医療なんて言うのは、むしろ生活を診ていると言っても過言ではありません。患者さんと主治医が悩み事を共感しながら、共にネガティブ・ケイパビリティを育てていく作業に他ならないのかもしれません。

それでは今日も1日・・適度にネガティブ・マインドで行きましょうか?!

今日の一曲(ABBAのカバーはこれが最高じゃないか?編)  ♬  The Winner Takes It All –  At Vance ♬  クリックしても音源はありません・・・・