11月12日 木曜日

昨日もなかなかに色々とあり忙しかったです。十分にできている部分とそうではない部分があって複雑な心境で1日を終えようとしています(これ、今日は夜に書いてます)。お昼のsessionを聴いて知ったニュースです。ニューヨークで活躍されているジャズピアニストの海野唯威さんがハーレム地区の地下鉄構内で通路を塞ぐようにたむろしていた数人に暴行され重傷を負ったという事件です。被害当事者の本人がインタビューでお話をされていました。それだけ聞けば、ふーん治安が悪いところもあって気をつけないといけないのだな・・・で終わってしまいそうなインターネットニュースなのかもしれませんが、インタビューはこの事件の色々な側面を浮き彫りにしてくれています。まずはその加害者達が口にしていた、中国人が・・・とか、くそアジア人が・・・とかいう言葉です。アジア系の人たちに対するヘイト意識が感じられます。鎖骨骨折などを負った海野さんは暴行を受けている最中には、もうこれで死んでしまうのかと思われたそうですが、現地では徐々にその事件に対する関心が高まり、チャリティーのクラウドファンディングも立ち上げられたようです。ヘイトクライムとしての取り上げられ方をしたわけですが、特にアジア人ヘイトについては、大統領がコロナウイルスについて盛んに口にする中国バッシングなどもその事件の遠因ではないかとCNNが書いたりしているようです。海野さん自身は自分の事件をトランプ大統領の発言に重ねて考えたことなどなかったし、そんなことをCNNに対して発言したことは一切ないのですが、自分の事件が今回の大統領選の世論形成などに、ある種利用されているのではないかと感じたと仰っていました。一方で、加害者にどうやらアフリカ系の人がいたようだとの情報については、昨今もてはやされたBLM運動の負の側面で、彼らが増長したために発生した事件であると主張する向きもあり、色々な立場の人や組織が今回の事件をいわば自己流に解釈して自分たちの意見表明に利用しているのではないかと感じるようになったそうです。一つの事件を色々な面から脚色して報道されることがあるということを改めて知ることになりました。ニュースだけではなく、誰々がどうこう言ったとかいう伝聞情報には十分に注意してあたる必要があるのだなと勉強になったインタビューでした。