12月27日 火曜日 雨

毎日毎日雨もようです。毎年年末までにはひと雪来ることが多いと思うのですけれど、今年は違うのかな。

緩和ケアマニュアルの献本をいただいたので、診察の合間に斜め読み。たまたま開いたページのコラムに興味深い記載があった。代替療法についての考え方。代替療法・・ってなんぞや?ってかたのために、「現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称」・・これが代替医療であります。ま、俗に言われている民間療法などもこれにあたるのかと思いますが。こういったことについての新規治療法ということで〇〇に劇的に効果を上げる〇〇療法!!なんていうのは最近新聞の広告欄でも時々見かけますよね。そういう謳い文句が難病に悩む患者さんの興味を引くのは当然のことであると思われます。さて、問題はこういった治療方法についての相談を患者さんやそのご家族から持ちかけられた時に、医師としてどう判断し、助言するのかということなのです。”そんないかがわしいものはダメです”などと紋切り型に上から抑えつけるようなことを言うと、患者さんの気分を損ねて、そもそもの治療についての信頼関係にすらヒビを生じかねないのであります。かといって、あまり効果的ではないと思われる治療方法に限られた体力・財力を注ぎすぎるのもどうかと・・・。そこでこのコラムのまとめとは如何なるものか。

①医学的見地からの説明は一通りすること ②でも頭ごなしの拒絶はしない ③その上で常に気にかける と結論付けています(出典:緩和ケアレジデントマニュアル 医学書院、森田達也監修 同コラムは共同執筆者の一人の西智弘氏による)。

なんだ・・・やってるよ、この対応って思った私は一瞬心の中で(やっぱり俺ってそこそこやるよね)と思ったのですが、次の一瞬(待てよ、だけれどそれは無意識のうちにそういう行動をとっていただけの話であって、まあそれ自体は悪くはないけれど、やっぱりそのこと自体を言語化できて、体系立てて説明なり発信できる力が真の能力なのかな)・・・と考えて、意気消沈した次第です。そういう能力を持った人が教育者であり、プロフェッショナルなのだなと。

ま、そんなことに気づくことができた自分は、やっぱりなかなかのモノだよな・・とあくまでも往生際の悪い小生なのでした、マル