6月29日 水曜日

暑いのですが、何となく長袖のアンダーを着ている私です。寒いわけでもないのですけどその方が居心地が良いのでそうしています。歳とったせいですか?と聞かれると、多分そうですねと答えるようにしています。内心では歳をとったかどうかにはほとんど興味がないので「どうでもいいかな」と考えています。自分は自分で与えられた命を毎日過ごしていくだけです。ただ・・・奥さんの指導を受けて、最近は筋力をつける(というか維持する)という運動は行うようにしています。内臓寿命が長くなるにつれて、骨格寿命(造語です)は相対的に持たないことが多くなってくると感じているからです。早い話が・・・身体は長生きしても、足腰から弱るという心配をしているということです。ま、いずれにしても限界はあるので肩肘張らずにやることにしてはいますけど・・・。健康寿命と大いに関わるかもしれない「健康診断」の話題でもしておきましょうか。私は診察の際に結構「日頃の健診結果」についてお聞きすることが多いです。健診推進派と思われているかもしれません(そんな派閥があるのかどうかは存じませんが)。ところで、” けんしん ” には健診と検診があるのご存知でしょうか?前者(健診)は、市町村などが国保の方を対象に行う特定健診などが含まれる考え方で、血圧血糖コレステロールなどを中心に生活習慣病などの洗い出しにターゲットされる日常の健康をチェックする目的のものです。一方で、後者はがん検診などに代表される、特定の疾病の有無をチェックするためのものです。プライベートで私費を投じて行われるものに、色々なオプションのついたがん検診とか、脳ドックと呼ばれるものもあります。私が推奨する、診察の時にお聞きしているのは、健診と自治体の行うがん検診についてです。いわゆるドックについては問われれば関与しますが、基本的に推奨している立場ではありません。これらはあくまでも個人個人が自分の考えと知識に基づいて取捨選択して行われるべきものであると思います。健診結果は日常診療でも参考にできる血液検査データを含んでいますので、病院で行う定期的な血液検査を省略代用できるものですから、積極的にお聞きしています(何より自己負担がいらないものですからね・・・)。がん検診も、普段の診療で患者さんは存外全ての異常を主治医が拾い上げてくれるものと思われるのですけど、保険診療では症状のないものに検査はできませんので、この辺りは自治体が公費を投じて行ってくれ、それなりに費用対効果の証明された(エビデンスのある)検診を活用するほかないと考えています。最後に・・・ドックなどでの高価なオプションで異常結果を時々相談されることがあります。例えば癌のマーカーが高いのですけどどうしましょう?とか。大体腫瘍マーカーというものは、ターゲットとされる癌の種類も複数に渡ることが多いですから、それを元に検査を進めると、かなりの負担(身体的にも経済的にも)になりますし、異常がなかったらなかったで、本当に大丈夫なのだろうか・・・?という疑念が続くことになるわけです。膵臓の検査・・・超音波・CT・造影CT・dynamicCT・MRI・内視鏡検査(それも膵管鏡というような特殊なものもあり)などなど、やりだすと相当なものになります。もちろんそれでうまく疾患が見つかり、早期の手術ができてよかったというケースもないわけではないでしょうけれど、逆にどこまで行っても異常はなく(その方が本来望ましいのですが)、疑念はついえず毎日が心配で心配で・・・というケースも存在します。CEAというマーカーは喫煙している方には比較的高率に異常値となることもよく知られています。脳ドックでたまたま指摘されたごくごく小さな脳動脈瘤も、後から考えると「知らない方が良かったのに」と思うことも確かにあります。自分に何も不具合の症状がないときに行うドック検査は慎重に適応を考えた方が良いなと思うことは確かに多いかもしれません。この問題は語り出すとかなり時間がかかりますし、多岐の論点がありますので、今日はさわりの部分のみに留めておきます。

それでは今日も元気にお仕事ができることに感謝して・・・みなさま良い1日をお過ごしください!