2月21日 金曜日

まだまだ体の芯から冷えるような日が続きます。インフルエンザはピークを越えたということのようですが、まだ中学校では学級閉鎖があるとも伺っていますし、大人の方もパラパラと来られたりしています。まだまだ気を抜かぬよう週末をお過ごし下さい。

さて、往診をさせて頂いていた患者さんがお亡くなりになられたり、ご入院された場合には、一旦それで往診は終了となりますし、その後のお宅に訪問することはないわけです。しかし最近、その後にご訪問することが幾度かありました。一度目は、ご夫婦共に往診をさせて頂いていたご家庭です。ご主人が入院されたため、奥様の診察をするために伺いました。奥様は認知症を患っておられるのですが、当初ご主人から往診に関わらせて頂いていたので、ご自分はそのおまけだという認識であったのか、私が訪問した時には少々びっくりした表情で「自分のために来て頂けるとは思っていませんでした」と仰っていました。その日は身体診察というよりもお話中心の訪問となったのですが、印象的なお言葉を耳にしました。「主人の病状のことや、その後の経過のことは私にはさっぱり教えてもらえなくて、この間もタクシーを呼んで見舞いに行ったのですけど、主治医の先生にもお会いできずに帰ってきたんです。もう80を過ぎてボケてしまったら人間って何の役にもならないんですね。」寂しそうな表情でそう語られていたのがとても心に残りました。もう一度は、寝たきりの母親をなくされた奥様です。奥様自身ももうかなりのご高齢なのですが、お母様をなくされてから「フーッと気が抜けたようで、いまだに母が休んでいた居間に向いかけては、あっもういないんだと思って引き返してくるんです」と言われて、相当疲れておられるのか、普段は良好に調節されていた血圧が跳ね上がっていました。外科医をしていた頃は、手術をして回復されたらさようなら、開業医になってからはもう少し長いおつきあいになりましたけれど、まだまだ自分の想像し得ない世界があるのだなあと考えさせられました。

flu statics

 

当院での感染症診療を看護師さんがまとめてくれました。忙しい時間の中で、いつの間につくってくれたんだろう・・・。