3月24日 日曜日 晴れ

超音波検査機器、いわゆる「エコー」ってやつです。一口にエコー検査といっても検査の対象とする臓器によって手技と機器が異なります。もともと腹部臓器を専門としておりましたから、腹部エコーは日常的に行っていましたが、開業してからはこれを色々な領域に活用しようと努力しています。何せレントゲン検査のように被爆線量を考える必要もありませんし、体の表面に肩たたきの先みたいなものを押し当てるだけで内蔵を見ることができるのですから、患者さんにとっては苦痛がなく気軽に受けることができる、非常に有用な検査であると言えます。この器械、検査だけでなく治療にも使うことができるのです。術中エコーと言って、現在の肝臓や膵臓などの手術にはなくてはならないものとなっています。ちなみに肝臓手術の大家である元東京大学の幕内雅敏教授がこの技術を応用した肝臓切除手術を発展させたのですが、小生が研修医の頃はまだ一般病院末端にまでは広がっていなかったように記憶しています。前置きはさておき、診察室の隅っこにちょこんと置いてあるこの器械(ずいぶんとコンパクトになったものですが)、スイッチを押して使用可能になるまでに数分かかりますので、最近は常にオンの状態にしてあります(ブ〜ンって、すこしうるさいのが難点ですが)。最近は肩や膝などの整形外科領域にもその威力を発揮してくれますし、この度、とある理由でかなり安価で導入することができた心臓用のプローベを今後大いに活用していこうかなと考えております。これである程度の心臓の状態を診断することができれば、日常診療で患者さんへのアドバイスや処方にも多いに役立ってくれるものと思います。欲を言えば、往診用のポータブル機器がもう一台あればなあ・・・。

エコー 

ささえる医療研究所理事長の村上智彦氏の著書を初めて読みました。何かと過激な発言が取り上げられたりして注目を浴びておられますが、なるほどなと思うところも多かったです。主張されていることの根本的な部分には共感するところ多し。