3月10日 水曜日

昔子どもの頃には自宅の食堂から毎日山を眺めていました。六甲山(?)が見えていたように記憶しています。今は山を見ることよりも海を眺めることが多いです。

先日凪良ゆうさんの作品「流浪の月」の冒頭ためし読みのサイトを覗いてみました。出版元の東京創元社のサイトですが、なんと全314頁のうちの冒頭100頁の公開でした。3分の1が読めてしまうということになります。結構これは良いアイデアかなと思いました。気に入れば多分買いに行くでしょうし、残り200頁を立ち読みするのは困難ですし、図書館で・・という方は初めからそうでしょうから。なかなか良いビジネスアイデアなんではないかな。読み手も3分の1の試し読みができれば大変嬉しいですしね。電子書籍と紙のハイブリッド版みたいな感じです。会話文が多く、内容は・・・どちらというと口語体で書かれたような感じの、読みやすくとっつきやすい文章のようでした。ストーリーで読ませるタイプの作品のような印象です。まだ読んでないのであくまでも印象です。先日手に取った宇佐美りんさんの作品は、文章そのものが相当技巧的な唸らせるタイプでした。宇佐美さんは中上健次の愛読者らしいのですが、高橋源一郎さんに言わせると、彼女の紡ぐ一文のインパクトは太宰治のそれに匹敵するのでは・・・とのことです。ということで私の積読本の中にあるはずの中上健次の「岬」を探しているのですが、どこへ行ったのやら。

ところで、今わたしが「今こそ読むべきこの一冊」を挙げよと言われればコレになると思っているのは「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」です。劇作家でもある鴻上尚史さんの著作です。9回飛んで9回生き延びて帰還した特攻兵を巡るお話です。その度に「死んでこい」と言って送り出す上官に反抗して、爆弾で敵艦を撃沈させて帰ってくるという兵士へのインタビューをされたことをきっかけに記されたとあります。ただ言われるままに行動するのではなく、自分の命の価値を考えて、”わきまえず”に行動された人が戦時下にもおられたという事実に驚きます。非常事態なのだから・・という一言で片付けられる理不尽や矛盾をただただ受け入れるのではなく、自分の頭で考えて行動するという、真の意味でのリスクヘッジについても考えさせられます。1瓶から6回じゃなくって7回分が・・とかいうニュースを見ながら、わたしは何となく昔の竹槍訓練のおはなしを連想してしまうのですが(あ、これは誰かを非難している訳ではないですよ、政府も頑張ってくれていると思いますし、そういう工夫をされている病院も素晴らしいと思います。ただ、そう連想してしまったというだけですので・・・)、そんな現代への示唆をも与えてくれる作品です。

それではみなさん、今日も1日お元気で・・・

 

 

今日の一曲(忘れてなかったよ) ♬ Taylor Swift –  I Knew You Were Trouble ♬ クリックしても音源はありません・・・・・・