5月8日 金曜日 晴れ〜

お休みはあっという間に過ぎ去って行きましたが、幸い明日からまた週末です。こういうのは良いですね。最近気になったニュースふたつ・・

一つめは今日のインターネットに流れていたのですが、お猿さんの名前に英王室の名前はいかんだろ〜っていうやつですね。えっなんで?と思っていたのですが、ツイッターでは同じような感想を持つ方がたくさんおられました。「おさるのジョージはブッシュ大統領に失礼じゃないの?」とか、結構著名な人々が素早く反応なさっていました。そのほとんどは、そんな事別に気にする事じゃないでしょっていう論調です、モチロン。王室お膝元のBBCのニュースでも取りあげられていたそうですが、本場での反応も??だったらしい。岩田健太郎先生の「これが猿じゃなくてネコとかパンダとかライオンだったら問題なかっただろうに・・」というのが的を射てるように思われました・・。動物に対する差別のこころですナリ。そしてそれがまた世界に伝わり日本人の考え方を貶める結果になったりするのかも・・。命名は変更せずって決定をした大分市の対応は良かったですね。

もひとつ・・・これはちょっと前に話題になって週刊誌でもスキャンダラスなまとめ方をされていましたが。神戸の病院での肝移植の死亡例についての記事です。小生一応外科医の端くれですので、この記事についてはずっと心に引っかかるものがありました。この施設、あまり詳しく知らなかったのですが、神戸のポートアイランドにできた最先端医療を担う医療機関だそうです。院長は肝移植の第一人者である田中紘一先生ですね。でもって、先生の行った8例(だったかな?)のうちで半数が不幸な転帰をとったというのが事の発端のようです。その半数は海外からの渡航患者だったそうですが、本来なら移植のドナーの適応にならない脂肪肝症例だったり、レシピエントが悪性腫瘍であったりというのが問題であったという記事でした。施設のサイトを今回初めて見たのですが、確かに常勤医師が10名弱というのでは、本来チーム医療を必要とする臓器移植医療がうまく行えるのかちょっと不安ではあります。週刊誌の記事では、あまり品のおよろしくない男女関係の事柄にも絡めておもしろおかしい仕立てになっておりました・・・。でもっ!!田中先生って、あまりにも全世界的に有名な、いや有名すぎる生体肝移植の第一人者じゃあないですか。7000例か8000例かに達しようとしている肝移植のおよそ4分の1にも及ぶ症例に関与して来た先生に対する敬意というものを微塵も感じさせない書きっぷりには、逆に驚かされるものがありました。かつて京大には全世界から先生の手術を見学に毎回誰かが来ていたのです。日本に誇る生体肝移植の金字塔を打ち立てられたのは、教授になられてからも毎週病院に寝泊まりしては手術に没頭された田中先生その方なのでありますぞ。確かに、術後管理の不足や人手不足という点は否めないのかもしれませんが、それをKIFMECというその施設の立ち上げの際に、日本最先端などと報道していた方々の立ち位置は免罪されるものなのでしょうか?チーム医療の重要な移植医療がこの人数で可能なのでしょうか?と質問した報道者は果たして何人おられたのでしょうか?医療特区などと騒いでいるだけのメディアに田中先生を一方的に非難する資格があるのでしょうか?ドナーの選択に問題があったというのならば、そもそも健康な人にメスを入れる必要のある生体肝移植そのものに疑問を挟むという論点を投げかける記者はいないのでしょうか。多くは海外からの患者ということなのですから、これはおそらく保険診療ではないでしょう。それならば尚のこと、先生の腕を頼って自費を費やして海外からやって来た患者家族と、執刀医の間に契約関係や信頼関係があれば、他人があれやこれやと非難する余地のあるものではないのかもしれないとも思います。同時期に問題になった群馬や女子医大の件とは明らかに異なる性質のものではないでしょうか。一人の人を讃えたり、叩いたり・・権力を持つメディアならば尚の事、軽々にそんな事をして欲しくないものだと思いました。そしてこのような事は、保険外混合診療を一旦認めるとそこかしこで発生しそうな、そんな気すら覚える今日この頃であります。

https://www.youtube.com/watch?v=VscVOkasONU

いっつも古くさい曲や、うるさいだけのハードロックばっか聴いてるわけじゃないんスよ。ぼくだって今流行の(?)曲には一応・・・あ、娘に教えてもらっただけです、ハイ。もんぱちさん・・・いいね。