10月15日 金曜日

久しぶりに晴れている朝です。さて今日のキーワードは「ペットボトル症候群」です。いつからでしょうか、ペットボトルと言う言葉は日常的に使われるものとなりました。昔は片手のひらにフィットする500mlのものはなく、1.5リットルの大きなファンタとコーラだけだったように思います。今では缶を手にするよりも、プラボトルから飲む機会の方が多いのではないでしょうか。毎年1−2名、疲れやすく喉が渇くと言う症状で来院される方がおられます。ちょっと体格の良い、働き盛りの年齢の男性、という印象でしょうか。簡易血糖測定器で測ると、Hiと言う表示が出ます。尿には特徴的なケトン体+の結果。聞くと、仕事中に汗をかいて、喉が渇くので脱水をケアする意味でたくさんの飲料水を飲んでおられます。中でも清涼飲料水やスポーツドリンクで甘味を含むものを1日トータル2リットルから3リットルと言うのも珍しくありません。糖尿病の指標であるヘモグロビンA1cの数値は二桁になっています。血液に糖が有り余るほど存在するのに、それが活用できていないという状態です。代わりに脂肪成分やタンパクが燃やされて、その代謝産物であるケトンという有害な物質が増えてくるということになります。緊急入院を要する状況も珍しくはありません。今の時期は、健康診断結果を持って来院される患者さんも多いのですが、身長・体重・BMI(肥満度を表す指数)の項目が大体トップに記載してあります。

 

内臓寿命が伸びている現代ですから、大体ご高齢になってからのつまづきは転倒骨折の比率が増えています。健康寿命を伸ばすには、適正体重の維持は非常に重要ですね。減量への取り組み・・・難しいですが、とっても大事だと思います。減量を考えたら次に行うことは、まず減食だと考えます。ランニングシューズとか、歩数計を揃えて、まず運動・・と考えがちなのですが、効果的に体重を減らすには、食事療法(とは言っても単純に摂取カロリーを減らすだけで良いのですが)が何よりも大切なのです。容易に想像できますよね・・・「あ〜30分走ってきた、大分頑張ったし、お腹すいたし、ちょっとくらいは・・・」という状況。これ、元の木阿弥っていうやつです。