11月3日 火曜日

1日だけ働いて翌日お休みを頂戴できるというのはかなり嬉しいです。朝からL.V.Bのピアノソナタを鳴らしてコーヒーを飲みながら書いています。今日は「いいおっさん」の日です・・と、浪速大学のなかの先生が呟いておられました。冗談はさておき、今月から発熱への対応をかかりつけ医が担うことになることに(実質今までもそうだったと思っていますが、建前上も)なります。例えば東京などでは今まで散々議論されてきたPCR検査も、現状はお金さえ出せばそれこそ「いつでもどこでも何度でも」の状態であると聞いています。ウェブ検索すると山のように検査機関がヒットします。つい先日スポーツ選手の偽陽性のニュースが流れていました。つまり検査をした結果陽性と判明したのですが、その後の経過でそれは誤った検査結果判定であったと判断されたという事例です。特に無症状の方を対象にするとそのような事例が無視できない数に生じうることがわかっています。一方では、陰性の結果も必ずしも感染症が全くないという保証にはならないということもわかっています。わかりやすくいうと、検査はあくまでも一定程度疑わしいと考えられる人に対して、確かにそうですねと確認する作業に過ぎないということです。なので私たち医療従事者は、必要な人に対して必要な検査をすると言うスタンスを守り続けているわけです。しかし世の中医療従事者の意向だけで回っているわけではありません、当たり前です。そうすると、先のウェブサイトでの検査機関のように、例えば海外渡航時の証明書だったり、企業での勤務の許可に必要な陰性結果証明書などが必要となってくるわけです。先ほど申しましたように、陰性すなわち感染症がないと言う証明にはならないとわかっていても、ないよりましでしょ?と言う論理でそういった状況になるのはある意味では、この世の必然なのかもしれませんね。そうすると医療従事者がいくら一生懸命、検査は云々と声を枯らして言ったところで仕方がないのだとも言えます。新型コロナの検査はもう好むと好まざるとに関わらず一人歩きしてしまっている状況のように思います。保険診療の範囲内で行ういわゆる行政検査には、検査の厳密な適応があり、事前に疑似症登録と言う作業をしてから行います。結果の報告義務もありますし(陽性の場合のみですが)、行う医療機関も自治体との契約をしてから行うことになっています。一方で乱立する自費検査は現在検査の手法もクオリティコントロールも野放し状態と言っても過言ではありません。先日厚生労働大臣が、今後こう言った検査の質も担保していかなくてはと言う発言をしておられましたが、どこまでできるのか全くわかったものではありませんね。世の中を、経済を回していくというのはある意味こういうことなのでしょう。今私たちに必要なことは(と言うか、ぜひ国会でも議論していただきたいのですが)、今後のこの国をどういう方向に向けて動かしていくのか?欧州やアメリカ?のように一定の感染者を許容しつつ経済も重視していくのか、感染者ゼロを目指していくのか?例え前者であったとしても、その許容範囲をいかなる規模に想定するのか?そういったことへの羅針盤を示していく、あるいは私たちが意思表示していくということが必要なのではないかと思います。

いろいろウダウダと書き連ねましたが、私は一医療機関として、過度な楽観主義にはならず、相応に感染コントロールを目指しながら、地域の住民の方達のために、それぞれの個別の事情に応じながら、なおかつ科学的な態度でこの病気と付き合っていきたいと考えております。さてと・・雑用の続きに戻りま〜す。お天気も良いようです、みなさん良い1日をお送りください😀