7月7日 日曜日

朝の9寺を過ぎました。残念ながら7月7日7時を寝て過ごしていました。昨日街で見かけた車のナンバーは77−77でした・・・。

さて、世の中時々思わぬ人が思わぬ行動をとって、常識ないな〜という評価を下されることがあります。そう、今日は医師としてそう思われるかも知れない内容を書いてみます。

それは・・ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンのことです。女性の子宮頸がんや男性の外性器に発症するがんの多くはHPV感染が原因であるということが既にわかっています。HPV感染はさほど珍しいことではなく、半数以上の女性が一生の間に一度は感染するといわれています。多くの場合には一過性感染でウイルスが免疫学的に排除されるのですが、何らかの原因でそれが粘膜に残存し持続感染の状態になると発がんに至ると考えられます。アメリカでは21歳以上の女性の半数以上は定期的ながん検診を受けているそうです。一方で日本では3割未満にとどまっているようです。そこで大事なのはワクチンによる予防であるというわけです。HPVワクチンはご存知のように現在積極的勧奨を控えるとされている状態です。ワクチン接種後に生じる副反応についてその存在が疑われたからです。その後、今年の1月に名古屋スタディと呼ばれる研究結果の論文が発表されました。これはあまり報道されていないように思いますが、本研究ではワクチン接種を受けた群と受けなかった群で疑わしい症状の発生率を比較したところ、両群に差がなかったと結論している。厚生労働省はそろそろ速やかに本ワクチンの積極的勧奨の再開の是非について論ずるべきだと考えています。すでに諸外国では当たり前となっているこの予防接種について、将来の子宮頸がん患者の発生率が世界でワーストとなるような悲劇を起こさないためにも積極的に動いて欲しいと考えています。さて、冒頭に医師として非常識な・・・と書きました。それは、国が勧奨を控えているワクチンを一般レベルに推奨するかどうかの妥当性という観点です。上記の内容からもわかるように、小生は同ワクチンはメリットがデメリットを上回ると考えています。まずはワクチンを受けさせるべきかどうか悩んでいる親御さんがおられましたら、ゆっくりと時間をとって現状の説明を行い、各自の自己判断を促すところから始めたいと思います。重ねて、国には早急に私たち国民が判断しやすい状況と、将来の疾病予防を十分に行うことを求めたいと思います。

不作為の罪・・とは、なすべき時になすべきことをしなかったことに対する罪のことを言います。世論が騒がないからといって、黙っていてはいけないのです。時に世間は2週間後に投票される選挙の報道で喧しいです。言うべきことを言うべき時に言うことが成熟した国民として大事なことなのだと思っています。being in the right place at the right time…ならぬ、doing right things at the right timeでいきましょう!!