7月17日 金曜日

昨日の夜の新型コロナ対策分科会後のニュースで放送されていたのは極めて大事な記者会見だと思いました。座長の尾身先生が新型コロナウイルス感染症の検査に関する現在の問題点についてのまとめをして下さいました。医療関係者・福祉介護などの事業所管理者、あるいは渡航移動を伴う事業や興行経営者の方は必見の内容だと思いました。現在のPCR検査については大きく3つのカテゴリーに分けて考える必要があります。

①有症状者(症状があり、検査前確率が高い群)に対する検査

②(会議では2a)無症状者だが検査前確率が高い群に対する検査

③(会議では2b)無症状者かつ検査前確率が低い群に対する検査

①についてはかなり体制が整っていると思いますし、②の場合にも現在東京では三密を発生するような環境で働く人たちに対して重点的に行われていると認識しています。その結果多くの陽性者が報告されているのはご承知の通りでしょう。クラスター内や濃厚接触者で無症状の方に対する検査もこのカテゴリーに入ります。今回の記者会見ではさらに、高齢者施設や医療機関での積極的な検査もこのカテゴリーに区分けされています。検査前確率は高くなくても、一旦感染者が発生すると死亡症例が発生してしまう可能性が高い群にも検査は積極的に行う指針が示されました。被災地の方々についても、特例的に検査を考えていくとの視点から今回はここに分類されています。最後の部分(尾身先生のパートの)では、現在多くの議論がなされている③に対する検査の考え方がわかりやすく説明されています。民間企業や個人レベルで、海外渡航や興行を行うなどの個別の事情に応じて、各々の負担で検査を行う際の注意点が述べられています。私自身は医療機関の管理者でもありますし、高齢者施設に関わる医師でもありますので、特に②と③についての知見を元に今後の自院のあり方を再度見直していこうと考えています。是非一度皆さんもゆっくりと会見を聞かれてみては如何でしょうか?