5月17日 日曜日

ちょっと数字のお勉強をしてみます。最近コロナのPCR検査をするべきかしなくてよいかということが議論されているかと思います。この状況を揶揄してか、積極的に検査をしようという意見をもつグループ(しーや派)と、やみくもにするなという意見をもつグループ(すんな派)の対立を取り上げて書いてある論考もありますね。いろんな意見があるかと思いますが、それを考えるうえで、机上で計算してみるとどういう結果が予測されるのかということについて書いてみようかなと思います。とはいうものの、統計は苦手なのでいろいろな書物やウェブサイトで分かりやすく解説されているものを参考にしてみました。

例えば、PCR検査は感度が60%とか70%とか言われます。実はインフルエンザの迅速検査もその程度なのですが、要するに100人真の感染者がいたとして、検査結果がその通り陽性と出る確率のことですね。意外に低いのだなと思われる方いらっしゃると思いますが、その程度なのですね。一方で特異度と呼ばれる数値も大切です。これはすなわち、病気に感染していない人をその通り感染していないと言える確率のことです。例えば特異度90%というと、100人の非感染者がいた場合には、その検査では90%の残りの10%の人、10人は陽性と出てしまうということになります。実際に数値を当てはめて考えてみましょう。

コロナウイルス感染者は実は広く抗体検査してみると、カリフォルニアなどでは人口の数パーセントが陽性であったという報道がありました。仮に2%の陽性者がいると仮定します。人口1万人の架空の都市で検査をしてみたと考えます。実際の感染者は200人いるということとなりますが、感度70%の検査なので検査上の陽性者は140人となります。一方で実際の非感染者9800人のうち、特異度が99%の検査ですと98人は疑陽性となります。つまり98人の方は非感染なのに陽性扱いを受けてしまうわけですね。結局のところ検査で陽性と出た人数は140人と98人合わせて238人いるのですが、そのうちの実に40%の方は実際には非感染である計算となります。以下の図をご覧ください。

この計算ではPCR検査の意義があまり感じられない、というか無駄が多いように思いますよね。一方で感染率が10%となった状況で(たとえばクラスター感染とか、院内感染を発症している医療機関での医療従事者に対する検査を想定しましょうか)はどうなるでしょうか?以下の図をみると、検査で陽性となった人の89%が真の陽性となっています。検査の意義がより実感されますね。以上、検査にはその対象者の事前確率がどの程度かによってその意味合いがかなり異なってくることがご理解できると思います。やみくもに検査をしても混乱するだけであるという理屈には一理あると感じられるところではないでしょうか。実際の医療現場では患者さんの訴えを検討して、これはかなり疑わしいなという取捨選択をしますのでその検査の事前確率は蔓延期間でなくてもそれなりに高い想定となります。なので・・・検査はやはり医師が必要だと感じた時点でスムーズに行うことができる体制をとるというが良いのではないかと思います。不安解消のためにむやみに行う検査は40%とかの疑陽性を生み出してしまいますので慎重に行ううべきであると考えます。

以上数字のお勉強でした。小生も決して統計学に精通しているわけではありませんので細かな間違いがあると思います。ご容赦ください。それではみなさん良い休日を!

Have a nice day!