5月26日 火曜日
すべての地域で緊急事態宣言が解除されたようです。いくつかの地域ではまだ気になる数値の推移はみられるようですので引き続き油断はできません。第2波は意外とすぐにやってくるかもしれません。そんな中ですが、ちょっと勇気づけられる記事を読みました。しょっちゅう引用元している雑誌「SCIENTIFIC AMERICAN」からです。ほぼ20年以上前に小生が大学院生だったころによく勉強させてもらった著者の一人が語っているインタビュー記事です。Dr.Alessandro Setteという、現在は免疫研究で有名なLa Jolla Instituteという研究機関の教授です。COVID-19に罹患したが大きなトラブルなく治癒したという患者の血液サンプルと、まったくそれらの感染にかかっていないと思われる健常者の血液サンプルを持ちいた研究結果です。患者ではかなり強いT細胞反応性を認めます。驚くべきことにその反応性は、まったくCOVID-19に関わっていないグループにも見られたということです。従来型のコロナウイルスへの過去罹患歴がそのような交差反応性、すなわち従来型コロナへの反応は、新型にも反応することができるという可能性が推測されることとなります。また、このような強い免疫反応が体に備わっているということは、とりもなおさずワクチンができる可能性が高いことを裏付けるものでもあります。かつての豚インフルエンザの際には、年配のほうが若年者よりも重症化が少ないというデータがあったのですが、その際にも新型によく似た別のH1N1の過去罹患歴が関係しているのではないかと論じられたことと相同します。そもそも微生物を排除するための免疫反応には、自然免疫と獲得免疫の二種類が備わっています。自然免疫というのはとにかく異物と認識したものを手あたり次第食べてしまうような細胞、マクロファージとかNK細胞というものが活躍します。規則正しい生活をして、免疫能力を高めましょう(言い方には異論がありますが)という主張はこの自然免疫力を強化するためのものです。一方で、カギと鍵穴という表現で言われるT細胞や抗体による排除は、相手がどんなものであるかによって規定されます(抗原特異性と言います)。この世に存在する、無数とも言えるたんぱく質を相手に、どの微生物のどのたんぱく質というように体は覚えていて、それが体内に侵入してくると即座にそれをやっつける細胞を増殖して感染から身を守ってくれているというわけです。通常身体は一度この抗原(微生物)を身をもって体験しないと、すなわち感染しないと認識できないのですが(前感作と言います)、予防接種は感染することなく、体にそれを覚えこませているわけです。ふ~たくさん書くとよくわからなくなりますね・・・。とりあえず、Dr.Setteは、これまでのデータを総合すると、ワクチン完成への可能性は相当高く、しかもそれは単一の手段ではなく、いくつかの方法を我々は手にすることができるのではないかと予測されているようです。記事ではModernaというバイオテク企業の臨床試験が順調に進んでいるようでもあり、ほかにもすでに100を超えるスタディが進められていると書かれています。
読みながら書くと、グーグル翻訳みたいな堅苦しい日本語になりました。失礼いたしました
それでは朝からややお天気は悪いですが、みなさんごきげんよう Have a nice day!