1月12日 火曜日 寒い雨
前日がお休みで一日トクをすることになるこの一週間。最近往診をしている患者さんの容態が悪くなって、基幹病院にお願いをする事がしばしば。普段の健康管理を担当する小生の見立てが悪いということにもなる訳で・・ちょっと気を引き締めなければ。日頃から協力して在宅医療を行っているケアマネジャーさんとも、月1度の定期的な懇談を夜に少し。いろいろとお互い困難な患者さんのケースについて話しあう。結局こういった困難事例の共通的な問題点として、制度と制度の狭間に落ち込んで身動きが取れなくなっている例や、設定されている仮定から漏れている状態であったりというのがあげられるのだが、こうした方々を救うのは、結局私たち担当者のちょっとした、”ちょっと〜〜してあげよう” 精神なのではないかという結論に落ち着いた。いや、我々だけではない。隣近所の住民の方だったり、民生委員の方だったり・・・何かのご縁のあったこの方のために、できる範囲で、ちょっと頑張ってあげよう・・という行為が寄せ集められて、かろうじて成り立つような在宅医療が、そこには確かに存在するのだ。ニッチな場所での安住を求めている人々がこの世の中には存在しているのだ。
Unite!
おうちに帰ってからは、平川克美師匠のメディア媒体でのインタビュービデオクリップを視聴した。これからの世の中、「うまく生きよう」ではなく「まともに生きよう」が大事なのだというお言葉・・・骨身に沁みるものだった。
「人間である事は、とりもなおさず責任をもつことだ」 (サン=テグジュペリ)
雪のアンデス山脈に不時着したパイロットは、数日間雪山を彷徨った後に、渾身の力を振り絞って谷間から這い上がって自分の姿を発見されようとしたのだ。残された妻に保険金を手にさせてやるために・・・。愛するもののために、「もうすこしだけ心臓よ、動いてくれ」と心に念じながら、這いつくばってでも歯を食いしばって頑張るということの素晴らしさを教えてくれる。