7月5日 月曜日

すでに医療関係者のツイートで散見されますが、災害後の復旧で泥を掻き出すなどの屋外作業をしておられるところがありますが、衛生的な対策を十分に講じていただきたいと思います。土壌に存在する微生物に破傷風菌というのがあります。いまでも年間に100人前後の患者の発生が日本で認められています(今年はこれまでに累積48名)。罹患すると重症化した場合には人工呼吸器などでの治療を要するものです。土壌に存在する細菌なので、屋外で釘を踏んづけたとか、畑作業中に鎌などで手を切った、とかいったような理由で罹患する可能性があると考えられます。とにかく屋外で受傷した創傷の際にはトキソイドという予防接種を受けることが発症予防のために必要です。当院でも積極的にそういった治療を行っています。現在子供達に対しては定期予防接種として四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)がありますので、一定の免疫を有していると考えられますが、50歳以上の方(正確には1967年より以前の生年月日)ですとワクチンを受けておられない世代ですので一層の注意が必要です。災害復旧作業のお話に戻りますと、泥水の中での汚泥掻き出し作業をするということは、必然的にこういった微生物に暴露される可能性が高いわけですから、長靴やゴム手袋など十分な装備を施したうえで行うことが望ましいです。ましてや子供たちを動員した取り組みがあたかも美談のように取り上げられるのは・・・ちょっと?かなと思っています。