5月24日 火曜日
ヒトゲノムプロジェクトってお聞きになったことがあると思います。1990年にアメリカとイギリスが中心となって、ヒトの全遺伝子を解明しようという試みで、ヒトゲノム計画とか呼ばれたりしています。すでに遺伝子の全ての塩基配列はインターネットでアクセスできるデータベースに収められています。それとも少し関係するこの論文なのですけど・・・生後5週間の子供が異常をきたして病院を受診したところ、それから16時間後にはその子の遺伝子配列が同定されて正確な診断に至り救命されたとのことです。チアミン代謝異常と言われる疾患であったようですが、その子のいとこが10年前に同様の症状で脳症を発症して、集中治療の甲斐なく亡くなられていたという背景があったようです。遺伝性の疾患ですので、おそらく同じものであったと思われますし、逆に言うとその方がいたからこそ、この症例での迅速な遺伝子検査になったとも考えられます。従兄弟がその子を救ったとも言えるのかと思います。まさにこれこそが、科学技術の発展の恩恵ですね。