4月13日 木曜日
タイムラインの一番上に”ステロイド”が上がっていたので、なんだろうと思ってクリックしてみました。初めのリンクに国民生活センターのツイートです。花粉症に効果があるとの謳い文句で販売されている健康茶に医薬品成分であるステロイドが含有されていることがわかったという内容です。今年は花粉の飛散量が多くて、例年よりも症状がひどいという方が多いのは確かです。花粉症の治療方法は、抗ヒスタミン剤という分類の薬剤で症状コントロールをするというのがスタンダードであるかと思います。発症初期からなるべく早い段階で服用を開始して、シーズン通して内服を継続するのです。スギやヒノキの花粉が舞う期間ずっとやらないといけないので、薬嫌いの方にはちょっと厄介ですね。そういう心理に結構ハマるのが、このお茶が・・・とか、このサプリが・・・という宣伝句となるのでしょう。薬の中には眠気を催す副作用があったりするのは確かなので、一度服用してやめてしまう方もおられるかと思います。私はなるべく診察時には副作用の少ないタイプを選んだり、鼻水・鼻詰まり・目の痒みなどの中で具体的にどの症状が問題となっているのかを問診して薬剤選択をするようにしています。もちろん一度処方したお薬が合わなくて、再診時変更することもあります。毎年服用されている方は、ご自分に合うものをあらかじめ見当がついている場合がありますので薬剤選択は比較的容易にできることになります。要は、一度飲んだものが合わなかったからといって、完全にやめてしまわずにいくつか試みるということが肝心であろうと思います。さて、件の健康茶には微量のステロイド成分が含有されていたそうです。ステロイドは免疫抑制作用がありますので、花粉症がよくなるのは当たり前です。眠気の副作用はありませんので、患者さんにしてみれば、お茶を飲むだけで花粉症が良くなった、これは素晴らしい・・・となるのは当たり前でしょう。ところが、ステロイドの長期服用はその方の副腎皮質ホルモンの分泌を抑制しますので、花粉症の時期が終わった時点で急にやめると離脱症状が出て体調不良が懸念されるということになります。もちろん特定の疾患で、ステロイドによる治療を継続的にされるという場合はあるのですが、その場合は医療機関への定期通院で安全に十分な効果があることをモニターしながら施療されているので問題はありません。それどころか、他に代替療法のない疾患の場合には大変貴重な治療薬ということになります。今回の問題は、他に有効な薬剤があるのにもかかわらず、さらに患者さんはその薬剤が含有されていることを知らされることなく、ただの健康茶だと思い込んで飲んでいるということがいけないのだと思います。それぞれが検証されているわけではないのですが、同様に「飲むだけで血糖値が下がる」とか、「飲むだけでダイエットができる」という宣伝句にはちょっと一息ついてよく検討した方が良いのかもしれませんね。健康茶・・・飲用されている方は医療機関にご相談を!となっています。