3月3日 月曜日

とあるネット番組で知った素人のエッセイが投稿されるウェブサイトを見てみた。そこには1日10本程度の、素人の方が投稿されるエッセイ作品が並べられている。募集要項にある投稿の条件はただ一つである。18歳から29歳の女性しか応募できないことになっている。ウェブサイトを開いてみたところ、目に留まった作品があるのだが、作者は現役医学部の学生で、しかも低学年に所属している人である。

医学部に入ってみて、自分のような人間が本当に医師になってやっていけるのだろうかという不安を感じているという。彼女は、自分で仰るに、要領が悪い、真面目な完璧主義者である。過去問などをうまく利用することができず、効率の良い学習ができないのだそうだ。こんなにも不器用な人間が、優しいだけじゃ人を救えないのだという声に簡単に打ちひしがれてしまっているようでもある。取り留めもない将来への不安、自分は良い医師になれるのだろうかという不安を綴るそのエッセイはその不安の吐露で終えられていた。

このサイトの良いところは、作者の言い放しで終わるところであるのかもしれない。教えて〇〇とか、よろず相談所のように、安易なわかったフリのリプライが来ないのである。人の悩みって、誰かに相談したくなるのではあるが、相談したところで解決するものでもないのである。私はそれを昔から思っていて、あまり個人的なことを目上の人や友人に相談したことがないのだ。あまり相談したいと思うような深刻な悩みもなかったのかもしれないが・・・。先ほどのエッセイの作者も、おそらく誰にも相談できず、しても解決できないのだろうと考えながら、日々鬱々と悩んでおられるのであろう。実際に医師になって、今私が考えていることは、確かに優しいだけでは良い医師にはなれないだろう。しかし、優しくなければそもそも良い医師へのスタートラインには立てないのだと考えている。そして優しさは、最初から最後まで必要な第一条件なのである・・・知らんけど。