9月28日 火曜日
さて、外来診察をしていると眠れないという患者さんに出会います。ご高齢の方の比率が多いようですが、色々な年代でその訴えは聞かれますね。よくある睡眠に関する誤解ですが、①お酒を飲んで寝ると良い・・・×ですね。アルコールで気分が良くなって、眠気を催してそのまま眠りに落ちるというのは実際にはあるのですが、眠りが浅くなることがわかっています。尿意で途中覚醒することもあります。アルコールの代謝に肝臓は一晩中活動しまくっているので、翌朝体に疲労感が残ることもあるでしょう。いずれにしても賢い方法とは言い難いです。さて②番目ですが、睡眠は7時間必要である・・・これも×です。特にお年を召されてくると、7時間睡眠を確保できなくても良いと考えられています。時間に囚われる必要はなさそうです。ある人は4時間の睡眠でも何の支障もなくお元気に過ごされています。そして、③いつも不眠を抱えているので、なるべく早くに布団に入ってみる・・・これも×です。専門の医師に言わせると、遅寝早起きが良いのだということです。まだ眠気が来ていないのに早く寝床に入って悶々とするのはかえって睡眠の妨げになるようです。十分に眠気が来るまでは起きておいて、その代わり朝は決まった時間に、ある程度早起きをしましょうということです。朝起きて、陽の光を浴びて過ごし1日のリズムを作るということが大切なようです。厚生労働省のサイトには睡眠に関する12箇条が紹介されています。
日本は世界に名だたる「睡眠薬処方大国」だそうです。なるべく薬剤に頼らない方法を共に考えていきましょう。