6月23日 金曜日

梅雨の中休み。お昼のワイドショーで小児感染症が流行という話題が流れていたようです。確かに多彩な病原微生物による疾患がみられているように思います。手足口病・ヘルパンギーナというのはよく耳にされるところかと思いますが、他にもRSウイルスもまだ少し懸念されるかもしれませんし、溶連菌とか、もちろん新型コロナもまだまだ油断できません。コミュニティで罹患された子供さんたちから親御さんがもらう・・・というのもパターンとしてはよく見かけることです。これだけ情報があると、この発熱は一体何の疾患なのかはっきりさせてほしいというお気持ちになられるのはよくわかりますし、私たちもそれを探るわけですが、残念ながら特定の病原体を同定できるケースが全てではありません。そもそも保険適応となっている微生物は数えるほどしかありませんし、それとて年齢の制限があったりもします。疾患名がわかったとしても、それに対する特異的な治療薬が存在しなければ、対応策は変わりませんし、そういう検査は保険適応にならないのです。限られた医療資源や医療費を有効活用する観点から見て、これは仕方のないことですね。特定の治療方法の存在しないウイルスによる上気道炎症状をきたす疾患を、昔から私たちは「かぜですね」と言って、その症状を和らげるいわゆる対症療法を行ってきましたし、それは今もこれからも変わらないでしょう。せっかく忙しくてしんどい中をおして病院に来ていただくのですが、答えがはっきりせず、モヤモヤとしたまま帰宅されることも多いと思います・・・・すみません。では週末に向けて今日も頑張ることにいたしましょう。皆さんも良い一日をお過ごしください。