12月8日 火曜日
よく聴いているラジオ番組で最近続けてテクノロジーに関連する話題がありました。一つははニュースでも大きく取り上げられていたはやぶさと、人間工学分野で活躍されている玉城絵美先生の研究です。二つとも小中学校の授業などで取り上げれば子供達の興味が湧くだろうなと思いました。テクノロジーの進歩は医療の分野にも今後縁の深いものとなっていくと思います。福祉の分野でも、介護ロボットとか、サービス提供のための応用に期待が広がっています。工学というと一見ヒトの心と無縁のように思われるかもしれませんが(少なくとも高校生の頃の私はそう思っていました。今となっては大きな間違いですが・・・)、実は認知、感覚、予測など脳活動と密接なつながりがあり、相互的に補完される研究分野のようです。診療の分野でもスナップショット・ダイアグノシスという言葉があります。パッと見ただけで瞬間的に診断するということです。もちろん視覚情報だけではなく、いくつかの病歴と合わせて判断します。別に速さを競うためにそういう概念があるわけではありません。診断に至るまでの情報が少なくてもそれなりの理路があれば正しい回答に至ることができるということです。例えば俗にヘルペスと呼ばれる皮膚疾患があります。神経痛を起こすウイルス感染症に起因する病気です。3日前から突然左側の胸が痛くなり、昨日からポツポツと皮膚に湿疹が出来てきました・・・と問診票に書いてあればそれだけで、事前確率はかなり高くなります。そこに患者さんが現れて患部をパッとみせてもらうとそれでほぼ100%の診断です。もちろん臨床医療には色々なバリエーションがありますので、迅速キットで皮膚を検査したくなる症例や、翌日もう一度来てもらう必要のある患者さんもあります。話がやや逸れてしまいました。AIとかテクノロジーを人間工学的に応用していくというのは、そのような瞬間的に処理されている脳活動をコンピュータに代理させるという作業に他ならないのだということですね。24時間寝てる時間以外は視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚(これはほとんど臨床医学では使用しないですね)をフルに動員して、瞬間的にそれを処理して、認知、予測、行動へと繋いでいるわけです。なんかすごいですね。こういうの自宅学習でタブレットとかインターネットとかを使って勉強できれば子供さん達のオンライン学習も楽しくなるのではないかと思いました。玉城先生の取り組んでおられる「HCI : Human computer interaction」とかpossessed handの紹介記事など、読んだり観たりするととても面白いです!
今日は・・・診察の裏番組で(!)、日本免疫学会学術集会が執り行われています。Keynote remarksはあの!Drファウチですし(たぶんオンラインならではの人選?)、シンポジウムではエール大の岩崎先生やら、ラホーヤ研究所のDr. Setteとかがシンポジストに名を連ねています。これは必聴と思って早速登録しました。当然当院は普段通りの営業ですので、おそらくオンデマンドもアップされるであろうことを期待しています。は〜楽しみだ(^^)
ってことで・・・あしたは今読み進めている二冊についてあるいはどちらか・・書いてみようかなと思っていますけど(たぶんそうはならないかな)。多くの先生方のアンソロジーてきなやつ「医師のためのアンガーマネジメント」とコラムニスト酒井順子さんの近刊「ガラスの50代」でーす。それではまた明日!んばつつ・・・(サザエさん風に読んでください)