6月6日 水曜日 晴れ

先日、80歳台後半の女性を初めて診察している(初診って言います)ときに言われたひとことです。

『先生、あと9年生きさせてください!!』

その後理由をいろいろと語ってくださいました。ここでは詳しくそれについては述べられないのですが、患者さんの訴え(専門用語では主訴って言います)がここまで具体的かつ単刀直入に述べられたのは初めての経験でした。思わず反射的に『わかりましたっ。』って言ってしまいましたが、研修医マニュアル的には×な反応でしたね。正解は・・『ご希望はよく理解できました。あなたの検査結果はかくかくしかじかで、この場合の◯年生存率は◯×△で、最大のアウトカムを得るには生活習慣としての云々』なーんて説明するのがよいのですが。この場合、そういう国家試験的解答は決して望まれないものでして、上記のような返しになったって言う訳ですね。日々の臨床はマニュアルにない対応を迫られる場面の連続です。正しい対応だったのかどうか、いくら経験年数を経ても自問自答する毎日です・・・。

川で遊んでいたインドの少年が呼吸困難に陥って緊急手術を受けたところ、肺から生きた魚が摘出されたそうです。執刀医は20年のキャリアで初めての経験だったとの事。そうでしょうね・・