6月26日 日曜日 晴れ
ゆっくりと過ごす事ができた週末だった。
そして夜は今週ちょっとした会議で発表するネタの考案作業中・・・。テーマは在宅医療と緩和ケアについてのことである。つい数年前から取り組んでいるというだけなので、それほど実のある内容にはならないと思うけれど、考え出すと色々と欲張ったことを盛り込んでしまいそうになる。他の人達はどう考えているのだろうと思い、幾つかの参考書を手に取ってみた。いずれも自分よりも若い先生方の執筆書なのだが、遥かに深い内容のものであり、そこでまた発表内容の練り直しを強いられるという始末である。ま、15分程度だからどう転んでもそれほど充実した内容にはならないだろうが・・。それにしても、在宅緩和ケアとはなんとも欲張りなというか、奥深い分野であると思う。在宅医療・・・それだけでも難しいのだが、それに緩和ケアを盛り込むとな。過去の患者さん方のカルテを見なおしていると、自分の未熟さのみが実感されるのである。それにしても、参考書の先生方に教えられる事ったらないのだ。なるほどな〜って思わされるのは、それらの内容が客観的なエビデンスだけで構成されているだけではなく、実際の個人的な診療経験による裏付けに彩られているからなのだと思う。平川克美さんの「移行期的混乱」の著作のご自身の評に、・・・本書を論文のようなものとして見た場合には大きな欠陥があることを、私は最初から感じていた。・・・欠陥とは何かと問われるかもしれない。それは、統計的な資料を基にして、出来得る限り客観的な考察を積み重ねていくという本書の全体の構造の中に、本来あってはならない、私的な体験や心理についての述懐を綴ったものを混入させているということである。・・・統計的な数字を追いながらも、わたしはつねにその数字に疑いの目をむけていたのであり、統計数字の中には統計的な必然があるかもしれないが、その「必然の道筋」を実際に辿っていかなければ、その風景を確かなものにすることはできないという思いが強く働いていたのである・・・・という記述がある。ただ統計的な数字を基にした論文を解析するのも必要なことだが、平川氏のいうような視点は忘れてはならないことのように思われた。経済然り、社会学然り、そして医学もである。