6月27日 木曜日

朝の太陽はすでにお隠れになったようです。さて、今や一生のうちに二人に一人ががんに罹患するといわれる時代です。がんセンターの統計を見ても確かに、一生のうちにがんと診断される人の割合は、男性で65%、女性で51%とされています。一方で、がんで死亡される人の割合は、それぞれ25%と17.5%になります。つまりがんと診断されたとしても、実際にはそれ以外の疾患で亡くなられている方の割合の方が多いことになります。もちろん、がんがあればこその疾患で死亡されることもあるでしょうから、広い意味で言うと数字はまた異なると思います。男性のがんの1位は現在前立腺となっています。それに続いて大腸、胃、肺がんとなります。女性の1位は乳がん、大腸がん、肺がんとなります。これらは罹患率なのですが、死因の方から見ると、男性は肺がん、大腸がん、胃がん、すい臓がんで、女性は大腸がん、肺がん、すい臓がんとなります。男女ともに罹患率1位の前立腺がんや乳がんは、罹患はするけれども死亡はしないという傾向があることになります。それだけ治療の選択肢も多く、治療効果も高いということになります。もちろん統計ですからいろいろな例外があるのはその通りです。一般的に早期発見が困難で、治療も難しいとされているものの代表格はすい臓がんでしょう。未だに統計的に有効性が証明されているような、効果的な検診方法はありませんし、治療成績もあまり良くないのが現状です。毎年CT検査をしたらいいのでは?と問われることもあるのですが、それも必ずしもイエスとは言えないのです。一般的にがん検診には功罪があると言われています。検診を受けると聞くと、それは良いこと!と考えがちなのですが、必ずしもそうとは言えないものもあると言うことです。もちろん自治体の実施しているものは、有効性が証明されているものですから良いのですが、一般に健診のオプションなどで選択できるものの中には、賛否両論のものも含まれているようです。がん検診の功罪のうちの罪って何があるのでしょうか?例えば先ほどのCT検査で言うと、被曝するX線の問題があります。いわゆる2次発癌などの問題です。あるいは使用する造影剤によるアレルギーなどもあり得ます。また無視できないのは、偽陰性、偽陽性の問題です。偽陰性、すなわち本当は検査で検出できないレベルで存在するがんを見逃すことによって、その後数年の間油断してしまい、次に検診を受けた際には進行しているがんで見つかる可能性ですね。初めの検診で陰性と診断されたので、少々のことに無頓着になって受診が遅れてしまったり、生活習慣の改めに繋がらなかったりする可能性があるということです。また、偽陽性はもう少し頻度が多く見られます。よくあるのは、がんの血液マーカーが少し基準値を上回っていた場合などです。基準値を超える数値で陽性ですとなった場合、それからはどこかにあるかもしれないがんの検査に終始することとなります。結果全ての検査でがんは見つからなかった、となっても疑心暗鬼で過ごさなくてはならないかもしれないのです。少し考えただけでも、がん検診が全てにおいて有用であるとは言えないのですね。なので、おすすめは、正しく証明されたものを受けておくと言うことになります。そのために有用な情報源として良いと思われるのは、国立がん研究センターの管理運営する「がん情報サービス」と言うウェブサイトでしょう。

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