5月16日 火曜日
所沢市はふるさと納税返礼品を廃止するらしい。市長の言い分を聞いてなるほど腑に落ちた。やめた理由を問われて「本来は自分を育ててくれた、世話になった場所に感謝や応援をする趣旨だったはず。それをモノで釣って、よその自治体に納められるはずだった税金を自治体間で奪い合う始末。・・・他の自治体から奪う必要はなく、救われるべき弱小自治体にふるさと納税されればそれで構わない」と、そういうことだ。今や納税する側は、返礼品リストと首っ引きでその”投資先”を選んでいるような有様であろう。まさにモノで人の心を釣ってしまうという、本来の趣旨と正反対の心の動きを誘発しているのではなかろうか。市長の他の主張や背景は存じてはいないが、政治家や統治者とはまさにこういう視点で行動して、こういう論点を民に提起するのがその仕事の本筋ではないだろうか。ともすれば、嫌なこと、受けないことは他の自治体に押し付けて、自らの実になることにのみ執着する方が多い昨今、新鮮なニュースのように感じられた。ふるさと納税そのものに反対するものではないが、現行のシステムでは、納税者の心理はより自分が得をするように立ち回るような原理になっており、それは良い納税スキームとは言えないのではないかと感じた次第である。うん、今まで心の中にモヤモヤとしていたことが何となくスッキリした気がする。