3月11日 土曜日 晴れ

3月7日(1927)丹後大震災

3月10日(1945)東京大空襲

3月11日(2011)東日本大震災

戦争は震災とは違うけれど、3月は大きな厄災のあった月でもある。6年前の東日本大震災からの復興はまだまだのようであるし、福島の事故処理も未だアンダーコントロールとは言い難い状況のようである。津波に襲われ、がれきの散乱した大地をブルドーザーが覆い、なかったことにして新しい世界を始めようとしているようにも映る。新しい始まりを望む人たちもいれば、心の拠り所を何か形にして残しておきたいと考える人たちもいると聞く。人々の心はまだまだ癒されてなんかいないのだなと思う。一見穏やかで美しく見えるこの世の中の風景も、必ず何かの悲しみや苦しみの上に成り立っているのだ・・。「桜の樹の下には」(梶井基次郎)

漂流ポストなる取り組みをされている方がおられるらしい。被災者の家族らがその思いを綴って、手紙を送ってこられるそうだ。行き場のない悲しみや辛さを抱えておられたご家族が、その思いを届ける場所があるという事の癒し・・・。なるほどな、患者さんだって同じかもしれない。一見にして、それは仕方がないなあ・・と思われることを、診察の時に毎回毎回喋られるのもそれに近いものがあるのかもしれない。医療には、聴くだけで良いという事もあるのかなあと思う。