8月6日 月曜日 曇り〜晴れ
広島の日でした。67年前の今日も太陽は同じように降り注ぎ、暑い朝だったと聞きます。広島市民の実に半数近くの人々が、爆発の瞬間から、後の放射線による障害などで亡くなったのです。広島は医学関係の学会もたびたび開かれる街で、特に原爆資料館の隣には国際会議場があり、ここでの学会のときには休憩時間に必ず原爆ドームと資料館を訪れます。今日診察をした患者さんの中にも、終戦の日の戦没者追悼記念式典に出席される予定の方がおられました。患者さんは術後の体にむち打って、暑い中を東京まで行かれるそうです。出席するためには医師の診断書が必要だとの事で、心を込めて書類を作成させて頂きました。曰く、『親父と久しぶりに会う事ができます。』とニコニコしながら仰っていました。まだ10歳にもならないときにお父さんと別れなければならなかったAさんの気持ちを思うと胸につまされる思いがしました。病院勤務の時の患者さんは、南方の海に、お父様を慰霊するために、船旅をされている方もおられました。自分の両親、配偶者、子ども達と引き裂かれ、二度と会う事もできずに亡くなって行った兵士さんたちの鎮魂をお祈りしたいと思います。戦争は多くのひとびとに長い年月にわたって傷跡を残す人類最大の愚行です。
原爆ドームの前に、絶える事なく炎は灯り続けています。
”安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから”