5月11日 水曜日
朝から風がとても強い一日であった。あまりの強風に夜中目が覚めてしまったほどである。
岸政彦さんの毎日新聞ウェブサイトの連載コラムがおもしろい。なんでもないことを切り口にして(失礼な言い方ですが・・)研究し続けている人の視点が満載。やっぱり人文系学部を切り捨てるなんていけませんね。
ずっと前に訪問していた患者さん、もう齢100を超える女性でしたが、訪問の度に毎回ベッドに座ってコースターのような平べったい円形の編み物をこしらえておられた。ある日ビニール袋にはいったたくさんの作品を頂戴したのだが、そのうちの一つを今、作者の意図に反して(たぶん)、洗面のシンクを磨くために使用している(めっちゃ優れものです)。
黒と白のツートーンかと思いきや、よくみると一部分だけ黄色い毛糸が使われているのだ・・。この部分、何があったのだろう。単に白色の毛糸がなくなってしまったのか?あるいはもっと芸術的な感性のなせるワザだったのか。それをつくっている時の彼女の心の中を想像してみると何とも興味深いものである。使い始めてかなり経ってからそこに気付いた私の心が、妙にざわついている・・。
本来のケアとは・・このような微妙な事に気付いてあげることなのかもしれないな。