7月27日 木曜日

今日も気温はグングン上昇する予測のようです。おはようございます。さて、ジワジワと患者さんコロナ検査陽性率も上昇傾向の昨今です。未だに5類になった感染症で騒ぐのは・・・と批判されることもありますが、実際に症状がある方のご心配としては、職場にどう連絡するのか、学校はどうしたら良いのかという、またある種別の悩み事も出てくるわけです。医療機関に相談されるケースが増えるのは当然だと思います。最近は診療所などで使用するものと同等のグレードの自己検査キットも市販されているようですので、これを利用している方もおられるかと思います。そこでその際のコツや注意点を少し書いておきましょう。一つはタイミングです。特にご家族内に陽性者がおられた場合とか、かつての濃厚接触に相当するようなエピソードがある方の場合に、「ん?なんか喉が変だな。もしかして・・・」ということがあったとします。それ!検査だ〜というのはあまりお勧めしておりません。発症初期あるいは無症状の時期にはまだ鼻腔や咽頭の体液にウイルスの抗原タンパクが出ていないケースが多いからです。その後感染兆候が明らかになるにつれて、そういった部位でのタンパク濃度が高まります。ある程度時間が経過した方が、検査の感度が高まるということです。言い換えると、発症直後に検査をして陰性であったとしても、それは完全には信用できないということになります。特別に重篤な症状がない限りは、咳止めなどを服用しながら自宅療養ということになり、検査で早く診断できようができまいが、対処方法に大きな差異が生じないので、何度も検査をするよりは、24時間近く経過してから検査をするのがより良い方法であると思われます。二つ目は、抗原検査陽性かどうかの判断は「目をよーく凝らしてみてください」ということです。ソーシャルメディアでも、助かった陰性でしたというキャプチャ写真をよく見ると薄〜い線がほんのりと見えていることがあると指摘されています。もしくは「薄い線だったから多分大丈夫」なのではなく、線の濃淡は全く関係なしに、線があるかないかが全てなのです。薄くても線が少しでも見えればアウトなので、実際に私たち診療所の検査判定は、3人くらいの者が目視をして結果を判断しています。抗原定性検査という名前の定性という意味はオールオアナッシングなのです。逆に定量検査というのはある一定の水準を超える量が検出されて初めて陽性と判断するので、機械で判定することがほとんどです。思えば去年の今頃からお盆にかけては怒涛のスピードでコロナ陽性疑い患者さんからの問い合わせが殺到していました。今年はそうならないことを祈っているところです。