1月16日 土曜日

何となく、そんな気がする・・ということ。日常でも時々ありますよね。そ、我々もあるのですよ。なんとなく◯◯という病気のような気がするってことが。言葉で説明はできないのだけれど、ちょっと病歴を聞いた瞬間とか、患者さんが診察室に入って来られてから、椅子にすわってお話をされる数分間、いや数秒間の間にピンとくること・・・。たとえばですね、年に数回お目にかかる疾患で見た瞬間に診断のつく病気であるところの一つ、帯状疱疹。いわゆるヘルペスって言うやつですね。もちろんごくごく典型的なものから、発疹がパラパラっていう感じのおとなしいものまで。もちろん血清抗体価の検査をすれば良いのですけれど、そのお世話にならないといけない事はごくごくまれな訳です。見た目でわかる!私のようなものでも・・・。で、その根拠を説明せよと問われると、困るのです。でも、そういうことについて言語化する事に秀でた先生方には、簡単な事のようでして、たちまちに一冊の本が出来上がるのですね。

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ゲシュタルト・・・いわゆる見た目、というような視覚的な情報から構成される知覚的現象のことのような。つまりですね、ヘルペスの皮膚所見は・・・「数ミリ程度の水疱形成が集属する事によって、平面的なある一定の皮膚所見を呈して、全体として帯状に広がる病巣を形成するに至る状態。一つ一つの水疱に着目すると、それぞれの周囲には若干紅斑をともなう数ミリの環状の色素を認めて、時間とともに水疱部分に痂皮を形成していく」ようなことになるのだろうか。ま、これは小生の拙い表現なので、正確には教科書を御参考頂きたい・・・。溶連菌感染症やその他の呼吸器感染症などでも何となくこれは・・・というような事がありますね。そんなことを言語化する事に秀でた人達がたくさんの参考書を著してくれています。良いな、今の世の中・・・私たちが学生の頃にはなかったよ、そんな書物は。高価で分厚〜い書物をヨイコラショって引っ張り出してくるしかなかったもの!