5月12日 月曜日 風雨強い
京都と丹後をむすぶ縦貫道路の中間地点に和知という町があります。山あいの所々に山桜があり、ふもとには豊かな田畑をいただくように点在する農家。のどかで本当にのんびりとした雰囲気で、好きな場所の一つなのですが・・。大分前に、自民党の元幹事長の加藤紘一さんが、とあるビデオニュース(2004年頃撮影)で話しておられたインタビューを思い出しながらドライブをしました。地方都市の商店街がシャッター街と揶揄されて久しい昨今ですが、そのきっかけとして大きなものが、いわゆる大店法という大型店舗出店の足かせになっていた法律が廃止となった事であったと思われます。そもそもそれを後押ししたのは、トイザラスというアメリカの大型玩具店が日本で出店をしようとした際に、小売店の反対をうけたためそれができなかったということが契機であったのですが、現在トイザラスの店舗を日本で見かける事はめったにありません。結果として漁夫の利を得たのが、日本の大手小売店であったのでしょう。そして、駅前にはシャッター街が生まれ、一方では郊外の高速道路建設とそのインターチェンジ近くに立地している巨大ショッピングモールが繁栄し、それに伴い、食生活や商習慣、子供達の遊び場等も大きな変貌を遂げてしまったという点では、一産業の隆盛のみに留まらず、日本人のライフスタイル全般に大きな影響を与えた政策転換だったのではないかと思います。加藤紘一さん曰く、「当時は、アメリカに後押しされたというのもあったが、日本の消費者利益を考えながら決断をしたことだったのだが、果たしてそれでよかったのかどうか、今から考えると内心忸怩たるものがある(小生の解釈を含みます)」とのことでした。う〜む・・政治家の回顧録としてはとっても考えさせられるものであります。
安いものをたくさん買おう!アメリカの企業に負けない日本企業を育てよう!という思いだけで突っ走ってしまったつけは、現在いろいろな所に出ているのかもしれません。一つの価値観にとらわれて硬直化してしまうことの危険性を我々はこの事から学ばなければならないのではないでしょうか??近くサッカーのワールドカップが開かれます。日本チームを応援することと、他国を攻撃して必要以上にナショナリズムを高揚させることは別問題でありまして、肥大化しすぎた自我を有する国民とならないようにしなければ・・・てなことを考えながら一瞬でお気に入りの里山を通り過ぎて行った週末でした。里山の風景も、縦貫道路が完成するとまた違ったものになるのでしょうね。便利になるのですけれど・・