1月25日 土曜日
オピオイドクライシスとも呼ばれている米国の医療用麻薬製剤の濫用問題に関するニュースを読みました。パーデュー社らの製薬会社が麻薬鎮痛剤の過剰処方を奨励したことで、大勢の過剰摂取や依存症を引き起こしたとされている問題です。社とその創業者であるサックラー一族が、多くの州や個人からの集団訴訟を受けているのですが、その和解金の支払いの額が74億ドルで、社とサックラー家が9億ドル、65億ドルをそれぞれ負担するという判決だそうです。数年前からその実態を描いたドラマがネットフリックスで放映されていたり、多くの告発本が出版されていました。いくつかは観たり読んだりしていたのですが、製薬会社が医師たちをモノやお金や接待で釣っていく様が描かれており、その処方が多くの麻薬依存症患者を生み出していったとされています。お薬自体は、今でも私自身もがんの痛みを抱えている患者さんたちに日常的に処方しているもので、その恩恵に被る方は多くいらっしゃいます。要はその使い方をきちんと見極めなければいけないという、至極あたりまえのことが疎かにされた結果のお話です。利潤の追求に血眼を上げようとする資本主義が、社会的弱者とされる人たちに牙を剥いていくという図式という見方もできるのかと思います。いろいろなことを想起したり、考えたりさせられる一件です。またちょっと関連本を読み直してみよ・・・。