7月12日 土曜日

さてあと1日がんばるマンの日です。久しぶりにウィンブルドンのスコアボードを見てみると、なんとあの憎らしいまでに強かったジョコ氏が、SFでストレートで敗戦しているではないですか。気になったのでポストマッチのインタビューを見てみたのですが、重ねてきた年齢にはなかなか打ち克つことが難しくなってきているようです。少なくともあと一回はセンターコートに戻ってくるって仰っていますが、時の変遷を感じずにはいられないですね。さて、SNS上の選挙戦では終末期医療などについての論戦がなされていると聞きます。詳細に追いかけているわけではないのですが、おそらく昨今の論調から推測するに、「無駄な」延命治療に税金を投入するのは・・・ということも言われているのでしょう。私が実際に終末期医療に携わって感じることは、延命治療かそうでないかを判断するのは非常に困難ですし、定義づけはおそらく不可能であるということですね。それから、現場での肌感覚でいうと、それほどみなさん延命に重きを置いて決断されているわけではないということでもあります。ご本人にその希望を尋ねると、ほとんどの方は無理な延命は希望しない・・ということですし、ご本人の意識が薄くなった時に、判断を委ねられるご家族の方たちも、懸命に考え、話し合って、私たち医療者も納得できるような結論に至られることがほとんどです。その範囲では、たとえそこにメスを入れたとしても、医療費総額に与える割合は、選挙の争点の一つにして論争するようなものにはならないのではないかなと思ったりもします。国民皆健康保険というのは、そもそも、明日は我が身かもしれない病気の方たちの負担をある程度全員で負担していきましょうという概念のもとに成り立つ制度です。それゆえ私たちはフリーアクセスの敷居の低い医療を享受できるという側面もあるわけです。その財政が苦しいのであれば、まもなく数年あるいは数ヶ月で亡くなる方の負担を、非現実的な議論で対処するのではなく、全体の負担の割合を冷静に話し合って決めれば良いのではないかなと思ったりしています。もしかすると、今まで1割で済んでいた負担が、5分あるいは1割上がってしまうのかもしれません。そこは誰かどこかのカテゴリーの人たちを仮想敵のようにして議論するのではなく、政治家さんたちも言いづらいかもしれないけど、真摯に私たちに訴えかけて、これくらいの負担が必要になるのです・・・と語ってくれれば良いのではないでしょうか。納得できる数字であれば、私たちも受け入れていかないといけないかなと理解できるのではないでしょうか・・・などと、思いながら、おしごとの支度をする土曜日の朝でございました。さてさて、今日も一日、自分にできることを精一杯コツコツと。皆さんも良い週末をお過ごしください!