2月7日 土曜日 くもり

国立感染症研究所の発表する感染症週報などによると、インフルエンザの感染者数が下方に振れているとのこと。外来をやっていても、何となく患者さんの数が減ってきたのかなという気がする。他の感染症の動向を見てみると、毎年インフルエンザと同じようなグラフを示す感染性胃腸炎なども同様の兆しのようである。これからはノロウイルスにかわってロタウイルスが増加したり、春から夏にかけてはヘルパンギーナやアデノウイルスなどが登場することとなる。一方で溶連菌(冬に多い傾向はあるが)やおたふく風邪などにはあまり強い季節性はないようだ。手足口病などは明らかな季節性があり、夏以外には見られないと言っても過言ではない。開業医となって初めてわかるのだが、本当に同じような経過を訴えてこられる患者さんが同じ週に複数人おられるなあっていうこと。おそらく同じウイルスによる感染症なのであろう。全国規模で調査されているインフルエンザの抗体保有状況などを見ても、各ウイルス株によって多少の違いはあるが、大雑把に0−5歳の子どもたちや、お年寄りに抗体価の低い状況というのが見て取れる。今年も実際に、近くの保育所や幼稚園での感染が増加しているらしいと伝えられると、それから徐々に小学校・中学校などで学級閉鎖という話になっていったように思う。高齢者の集う施設での集団感染などの例が報道されるのも、まあそういうことなのだろう。かくして、毎年毎年微生物と人間の闘いは続いていくのである。前記の週報で水ぼうそうの感染者数が減少しているのは、昨年の秋から始まった定期予防接種の効果なのだろうか。B型肝炎の定期接種も決まったと聞くのだが、あとはおたふく風邪やロタウイルスなど行政の動きに期待をする今日この頃である。

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このところ暗いニュースが多かったので何となくブログの更新も怠っていたような・・・。この時代を分厚い雲が覆うような中で、インターネットを開くと極端な意見のぶつかり合いであったり、罵り合いであったり。今話題のピケティの言う(原典は読んでいませんが)”2極化された世界”の悪い側面が出ているような気がします(まあおそらく良い側面は無いのでしょうけれど)。双方が反対者の意見に耳を傾けること無く、我が方の主張ばかりが正しくて、やみくもにそれを通そうとするのは、まさに子どもの所作であり、幼児化した社会と表現される所以なのでしょう。「大人であるということは、たとえ何をすべきかがわからない時であっても、少なくとも何をするべきでないかがわかっている、ということである。」という内田師範のお言葉で(その通りであったかどうかは忘れました)締めくくることとしましょう。