10月30日 金曜日 曇り時々雨
今日は連日の研究会に参加した。女性の尿路疾患についての御講演を拝聴する。とても御高名な先生であり、こう言っては大変失礼なのだが、愛嬌のある外見とお話の巧みさに吸い込まれてしまって大満足の勉強会だった。自分の知り合いにはないタイプの、斬新な女性医学者像である。女性活躍社会の現在、こんな人がこれから先たくさん出てくると良いなと思った。でもって、研究会の受付で小生が手続きをしている時にその先生が、招請講演者なのに誤って会費を請求されておられた場面に遭遇した。えっ?とか若干とまどっておられた先生は、すぐに顔色一つ変えずに「あ、そうですか」とニコニコしながらバッグに手を伸ばされていたのだが、すぐ傍の係の方がすぐに気付いて「あ、先生は会費を頂かなくて結構ですので」とフォロー。尊大なオヤジなら、なんだお前は!などと怒鳴り散らされる場面だったのだが、おばちゃんの・・・あ、いや先生の器の大きさに感動。ま、間違える係の製薬会社の担当者も担当者なのだが・・・(笑)。
人生最後のご馳走という本を読んだ。青山ゆみこさんの著書で、がん末期の患者さんをホスピスに尋ねてインタビューをされた記録であるが、医療者以外の方の目線でのまとめを読むと日頃に気付かないところに気付かされるような、とても感銘を受けた書物である。そのむかし、久米さんが”最後の晩餐”っていうコーナーをされていたのを思い出す。最後の食事で思い出したのは、宮沢賢治の『永訣の朝』という詩である。
あめゆじゅとてちてけんじゃ
初めて読んだ時には、謎の呪文のようなことばが繰り返される不思議な詩だなと思ったのだった。死にゆく妹とし子はその最後に、賢治にむかって『外に降りしきるみぞれを取ってきて欲しい』って願ったのですね。