12月4日 金曜日 しとしと雨
ちょっと力を込めて書いてみるっ!!
ツイッターのRTで知った小中学校作文コンクール・文部科学大臣賞作品の中学2年生の作文。叔母が立候補した市長選挙運動を手伝った自分の父親が、公職選挙法違反で検挙され、その時の体験を元に綴られた文章である。内容もさることながら、小説家ばりの文章にすこし驚いた。で、すぐに思い出したのが乃南アサさんの”風紋”っていう小説だった。最近起きたパリのテロ事件で、容疑者の親戚という人がテレビでのインタビューにさほど悪びれる事もなく、淡々と応答している映像を目にしたのだが、日本だとまずあり得ないなと思う。本人はおろか、肉親はまずもってバッシングの対象となるだろう。謝罪の態度がなってないとか、誠意を示さないといけないとか、つまり極悪犯人の家族はまずもってみな同様に極悪で、批判の対象となるのだ。乃南さんの小説では、加害者の家族はもちろんのこと、被害者までもが色々な過去を暴かれ、その家族丸ごと好奇の対象となって行く様が描かれている。その人はその人、家族は家族で、すなわち個人は個人ていうことをもう少し考えた方が良いのかもしれないなってのが、その本を読んだときの小生の感想。でも私たちって・・好きですよね、『DNA』が。元に戻ってその中学生の気持ちになって考えてみると色々と複雑な感情を抱いてしまうのだ。お父さんがある日突然犯罪者になるってこと、ちょっと想像できない。その実、その犯罪ももしかして・もしかすると、悪意のほとんどない、ちょっとばかり専門家らしい他人任せにして、自分は他でひたすら頑張ってたからに他ならないのが実情、という事なのかもしれない。実際のお父さんは、自分の思いに一途に頑張ってただけなんじゃないのかなって、少なくともその中学生は感じているようなのだ。『みんなは真実をわかってくれないのだ』って。小学校5年生の頃の自分の体験を思い出すことがある・・。ソフトボール大会の学校代表チーム(Bチームという2軍だったのだが)に選ばれて出場した試合で、ヒットで出塁したあとに後続のバッターが内野ゴロを打ち、ボクは2塁に滑り込んだのだ。自分ではわかる、右足が野手のタッチよりも先に2塁ベースに届いていた事を。でも無情にも審判の右手は高らかにアウトを指示していた。別段勝敗を喫するような重要な場面ではなかったはずなのだが(実際にベンチのみんなはドンマイドンマイって言って笑っていたような)、ボクは瞬間的に”なんでやねん・・”って思いっきり泣けてきたのだ。文句を言ってもどうしようもない大きな相手に抱く無力感に、小学生だった小生の心はぐしゃぐしゃに潰されたのだった・・・。今考えると取るに足らないようなつまらない事なのですけど。
で、やっぱり気になってるのはTPP。自由競争は双方にとって雇用の拡大と商品の輸出につながりウィンウィンです・・・ていう説明に小生はそのマユツバさ加減をぷんぷんと嗅ぎ取るのです。そもそもウィンウィンっていうことばからして、あんまり好きではないのです、というか大嫌いなのだな。だから、担当大臣がマイナンバーの歌謡曲を歌おうが歌おうまいが、トクをする国があれば、もう一方の国は損をするはずなのですね。絶対これは譲れない・・・でないと中学校で習った物理学の力学的エネルギー保存の法則に反するもの。この世の万物は、運動エネルギーを得る為には位置エネルギーを失うのであり、摩擦と抵抗がある限りは永久運動機関など存在しないのでありますっ!! 世間では・・・8000ページ(だったかな?)にも及ぶ条約の合意文章が、この期に及んでまったく日本語訳がなされていないという事実にも頓着なく、ましてや ”細工は流々仕上げを御覧じろ” とばかりに、途中の経過なんていっさい知らされない私たちは、未だになんにもわからないのであります・・。せめて国会議員さん達はわかってくれてるのかな・・・