2月12日 火曜日 しとしと雨
日曜日の午後は撮り溜めておいたテレビ番組の録画を見ました。本名アンドレ・フリードマン、ロバートキャパと言えば何人かは頷くであろう戦場カメラマン(報道写真家というのが良いのでしょうか)のノンフィクションものでした。少し前の文芸春秋でしょうか、作家の沢木耕太郎さんがロバートキャパの写真について一遍の論文を掲載されている事は知っていたのですが、たまたま数週間後にそのおそらく関連であろうと思われるタイトルのドキュメンタリー番組を流すという事でした。キャパを一躍有名にした『崩れ落ちる兵士』というスペイン戦争の時に撮られたという一枚の写真をめぐる番組で、流れとしてはその写真が真に彼の手で撮影されたものなのかどうか?という疑問から始まるのです。事の真相もさることながら、彼の運命(あの史上もっとも激しい応酬であったとされるノルマンディー上陸作戦に従軍し撮影に挑んでいます)やベトナム戦争で地雷にやられて迎えた最期に至るまでの人生に、長い目でスポットライトを当てた興味深い番組でした。従軍カメラマンという一種芸術家のように数奇な運命を歩む事を余儀なくされた、何となく切なく哀しい彼の足跡にとても興味を惹かれるものがあります。それでいて彼の著作『Slightly out of focus(ちょっとピンぼけという邦題)』は非常にユーモアやウィットにとんだ名著のようです。この1週間はこれにはまりそうです。
ちなみにタイトルは、日本のカメラマンで同じく戦場でなくなった一ノ瀬泰造さんの有名な一節です。現代に住む私たちが彼らの作品や生き様から学ぶべき事とは・・・考えさせられます。