2月4日 月曜日 立春
柔道の選手が柔道連盟に訴え出たというニュースが流れていました。告発の文書はそれはそれで考えさせられるもっともな内容なのですが、これは私たち全員の心に問いかけねばならない問題であるように思いました。ニュースや新聞の報道では、あたかも柔道連盟やオリンピック連盟などに対する疑問符で語られているのですが、そんな事を言えた立場なのかなと思う点もあります。ジャーナリストの江川紹子さんは仰っています。『報道関係者は柔道の取材をしてきた過程で、大なり小なり今回の問題についてはわかっていた筈である』と。確かに仰る通りのように思います。薄々?気づいていた筈なのに、それを取り上げて問題視しようとする取材者は皆無であったという事なのではないでしょうか?まあ、それはさておき、強者(この場合は指導者である)の弱者に対するこのような対応はそこかしこに潜んでいるように思います。学校での体罰問題も然り、いじめ問題も然り、胸に手を当てて良く考えてみると、我々医師だって患者さんに対してこういう姿勢で接する部分は多々あったのではないかと思います。いわゆるパターナリズムと呼ばれる医師–患者関係ですね。とにかく、今回の事は単に柔道の世界の事だけにしてしまうのではなく、ひとりびとりの問題として考える良い機会なのではないかなあと思う今日のニュースでありました。
日曜日は東京で糖尿病のセミナーに参加してきました。食事は三食とも糖尿病食のデモンストレーションの体験です。一見豪華に見えるのですが何とこれで500キロカロリー強です。根菜や野菜を工夫して調理に生かすのが一つのミソのようです。ま、毎日これだけ手の込んだ調理方法ができるかと言えばかなりハードルは高いかもしれません・・・。
そういえば、糖尿病の患者さんだってそうですね。自分のご病気について医師が思うほどすんなりとすべてを受け入れられるのは難しいと思います。それを頭ごなしに叱るという態度で接するばかりではあまりにも能がないというものです。患者さんはクリニックに来られるまで、不安・恐れ・逡巡しながら足を運ばれるわけです。そんなお気持ちを斟酌できない我々ではいけません・・・。反省!