10月16日 金曜日
よく患者さんから「テレビコマーシャルでやってる〇〇って本当に体に良いのですか?」的な質問を受けることがあります。だいたいが、血糖値が低下する〇〇とか、肩腰膝の痛みがウソのようになくなる〇〇とかいう謳い文句を叫んでるような類のものなのですけど。医師にそうしたことを尋ねて来られるのには理由があって、実際に申し込みとか購入の際には、必ずご使用の際にはかかりつけの医師にまずご相談くださいみたいな文言が流れているのだと思います。科学的には証明されていないものが商品化されていることがほとんどです。医師に尋ねるように誘導することもやめて欲しいと感じています。だいたい対象となっている病気は病院でも治りにくかったり、治療の選択肢が限られていたりするものが多いので、私たちが不甲斐ないのも事実であったりはします。まあこれと似たようなことはサプリメントだけではなく、色々な分野にあると思います。例えば〇〇コンサルタントと呼ばれる業種って、それと似たようなことがあるのではないでしょうか?医師が開業する際にもお世話になることがある開業コンサルタントって耳にされたことがあるのではないですか。SNSでもそういう肩書きの方達の書き込みを見ていると、やたらと業界の先行き悲観的・・みたいな投稿が目立ちます。彼らの言う内容を読んでみると、もちろん一面の真実を突いてはいるのですが、実際の立場から言うと少し割り引いて考える方が良いように思います。俗にマッチポンプと呼ばれるものがありますが、あっちで火種を炊いておいて、こちらでその不安を煽る、その結果としてその対策を!と称して商売をする・・・みたいなやつ。医学会では論文や講演で発表する際には必ず冒頭にCOIと言うものを開示する事になっています。COI: conflict of interest 利益相反と呼ばれるものです。ある病気に対するお薬を売っている企業から頼まれた医師が金品を受け取って講演をしている場合に、その会社のお薬に有利な情報を盛り込む・・ということへの懸念ですね。至極真っ当なものの考え方です。世間にはこれと似たようなことが溢れています。気をつけよ・・・