3月18日 木曜日
同性婚が認められないのは、憲法14条 法の下の平等に違反するとの違憲判決が出たようです。理論的には妥当であるけれども、そうであるが故に、実際にそういう判決が下ったことに対して、界隈ではそこそこな驚きもあるようです。損害賠償請求は棄却されましたので、原告敗訴ではあるのですが、
「同性婚を認めず、法的効果が受けられない点が、合理的根拠を欠く差別取り扱いにあたるとして憲法14条に違反する」
「同性カップルによる婚姻によって生ずる法的効果の一部すら与えないのは、立法府の裁量権を超える」
「同性婚を可能とする立法措置を国が怠ったのは、社会情勢を踏まえ、国会が違憲性を直ちに認識するのは容易ではなく、国家賠償法上違法とは言えない」
などなどの判決文が目を引きます。つまりは、国が事前に想定するのは困難であったと思われるけれど、同性愛者と異性愛者での婚姻の要件を享受できるかどうかに対する区別の存在することが、平等権を侵害しているという判断をしたということのようです。Aというグループに何かの権利を与えるという条文があった時に、Bがその権利を持つことを退けられるということには必ずしも合致しないということで、Bにもその権利を与えることを認めるという#類推適応という概念が用いられたとのことです。国は反論で、同性愛者であっても、異性婚は認めているのだから何の人権侵害にも当たらないのではないか・・・という内容を訴えたようですが、これはあっさりと退けられたようです。これはちょっとあまりな理論なのできちんと退けられたのはよかったのかと思います。同性婚を全く認めないのは違憲ですが、立法府があらかじめそれを想定した法律を整備してこなかったのは、これまでの議論や社会背景からは直ちに過失とは言えないという判断のようです。以上、ラジオで聴いた解説ですが、憲法学者の木村草太先生は概ね妥当な判決であると評価されていました。判決を受けて、今後同性婚についての議論が広く行われるようになるのだと思います。今後これをそのまま受け入れて一つの判例として確定するのか、あるいは控訴して高裁、最高裁でもこの判決骨子を確定していくことを目指すのかが注目となります。地裁で確定されても、その判決は地裁だから・・といって軽んじられることもあるようですので、国を動かすには最高裁まで持っていくのも一つであると聞きました。解説を聞いていると、法律学も結構面白いなと思いました。ちなみに判事は、たけべともこ裁判長@札幌地裁であります。婚姻という結構身近な話題ですので、ジェンダー問題の一つとしても考えてみる良い機会になるのではないでしょうか。さて、1週間の折り返し地点をすぎて木曜日です。みなさん良い1日をお過ごしください!
今日の一曲(逆転の一曲編) ♬ スガシカオ – サヨナラホームラン ♬ クリックしても音源はありません・・・・