4月29日 木曜日
雨の日が続いています。やはり良いお天気が恋しいですね。
さて、今日は日々苦労していることについて少し書いてみましょう。特定健診の結果を持って来院される患者さんがおられます。生活習慣病をターゲットにした健康診断ですので、コレステロールや血圧、血糖値などが基準値を上回っているということで、会社から促されて半年前のデータを握りしめて来られます。だいたい皆さんお忙しい中を時間の合間を縫って来られますので診察室に入ってこられた瞬間に、もうすでにお尻が半分浮いていることも少なくないです。受診したということが分かる書類を会社に提出して、やりかけているお仕事に早く戻りたい・・・。そうでしょうね。よくわかります。私たち医師は、その後の患者さんたち、言い換えると、それを放置していたために病気を発症してしまった患者さんを診察することも多いので、健診で異常を指摘されている方を診ると、その方の将来を何となく想像してしまうのです。こういったご相談に際して、いかに当事者意識を持って生活習慣の改善に取り組んで頂けるように持っていくことができるかというのは、私たちの真価が問われる手腕の一つなのではないかと思います。例えば、肝機能障害にチェックが入っている方で、原因がどうやら飲酒習慣にありそうだという場合には、いかに説明をして実際に行動変容に持っていくことができるのか?その説明の仕方がどうあったら、患者さんたちの心に響く表現となるのかということは非常に大事な問題です。ただ単に、アルコールをやめなさい、やめたら改善しますよ、ではあまりうまくいくことが多くないと思います。喫煙をされている方に、体に悪いのでやめたほうがいいですよ、というのもほぼ無効です。そんなことは初めからわかっているではないか・・・となるわけです。膝関節痛の方に、ただひたすら体重を減らしてくださいねと言ってもなかなか改善には結びつかないことが多いです。このあたりは、説明の仕方、たとえ話などなど、色々なテクニックが必要となります。開業してほぼ9年ですが、当初からこれについては考え悩み続けてきました。今は一定のやり方を自分なりに持っています。健診の異常を持って10人来られたら、うまくいって2人か3人くらいで、次回も自主的に採血検査とかに来院してくださることがあります。開業医のやりがいを感じる一瞬でもあります。心にひびく言葉、これからもずっと探り続けて行きたいと思っています。