11月5日 金曜日
確か小学校の頃の文集のタイトルが「つみかさね」だったように思います。なかなかうまくつけられた題名だと思います。そして今でも記憶に残っているのですから・・・。医学の世界では身体所見と言う言葉があります。心臓の音がどうだとか、皮膚の感じがこうだと言うような、みたり聴いたり触れたりして、患者さんから得られる情報です。一般診療所ではとりわけ、とても大切なことです。病院ならCT検査とか一発で決まり!みたいな疾患でも、そんな機械がないですし、いくらでもお金をかけて良いというような条件でもありませんので、ちまちまと診察して病気に迫らなければなりません。様々な現象にもいちいち名前がついたりしています。発見した人の名前だったり、何かに例えた名前だったり。一つ一つの所見の持つ威力は小さいのですけど、それを寄せ集めると確かに一つの病気に診断が収斂していくということなのです。こう言うことがなければ開業医は枕を高くして眠れないです。あの診断が正しいのか、こっちが正解なのか・・・?そういう不安を払拭してくれる”小さな所見”たちに感謝です。政治家の人たちが一票一票の重みを感じるのも、もしかすると似たような心境なのかも知れないな・・とか、この選挙期間中に感じていました。世の中多くのことは小さなことの「つみかさね」で成り立っているのかも知れませんね。