3月28日 木曜日

桜前線がまだ進まないようです。本格的な春はもう少しだけ先なのでしょうか。サプリメントで健康被害にあわれたことがニュースになっているようです。件の商品は機能性表示食品という分類のものだそうです。消費者庁の説明を見ると、トクホとの違いを対比させて書かれてあります。特定の保健の目的が期待できるという(健康の維持及び増進に役立つ)食品の機能性を表示することができる食品であるとあります。「お腹の調子を整える」とか「脂肪の吸収をおだやかにします」という例が表示されてあります。事業者の責任において、安全性の確保を前提として、科学的根拠に基づいた機能性が表示されていないとならないとのことです。届出から認可が必要ですので、企業は商品を売りたいために、いろいろな工夫をして認可を取ろうとするわけでしょうね。おそらくそれを代行したりする会社もあるのだと思います。消費者庁の認可にも当然責任が伴うのでしょうし、何より企業の安全性担保の責任は重大であると思います。今回の事例を契機に、一度周りの商品についても意識的に見てみようと思いました。謳い文句は耳触りが良いけれど、その実は・・・というのがもしかすると意外と多いかもしれません。簡単に鵜呑みにしない、騙されない(?)、科学リテラシーを個人個人が持つことは大変重要ですね。こういった食品制度は、企業の経済活動から見て決して悪いことではないと思うのですが、それを私たちが日頃認識できているのかということが、もう少し啓発されても良かったのかもしれません。日常診療でも、しばしば患者さんが自ら通信販売で購入されているサプリメントの広告記事などを持参して来られて意見を求められることがあります。必ずそういう商品には、殺し文句「ご心配の時には、かかりつけ医に相談を・・・」というのが書かれてあるのです。私たちは、一企業が勝手に作っている商品の何たるか?ということにはあまり興味を持って調べることはありませんし、そう言われても困るのだけど・・・という場合がほとんどです。あまり聞いたことのない植物の名前とかが原材料に書かれてあっても、全く何のことだかわからないのです。これからはそういう問い合わせについても、より一層慎重に対応しないといけないな〜と思わされた事件でした。まだ、現在進行形ですけど・・・。