4月28日 日曜日
休日の朝はぼんやりするに限りますね・・・。今日はまさにそういう日(になれば良いな)。さて、この春にあった医療における幾つかの改正点はかなりの反響を呼んでいます。カルテ仕様の手直しをしながらその詳細を見ていると、今回の改訂はおそらく将来振り返ると、のちのさらに大きな変革の始まりであったのだと評価される日が来るのかもしれないなと感じています。年金を含む社会保障制度の費用の膨れ上がりはもう万人の共通認識となりつつあるかと思います。高齢化・長寿の社会となり、必然的に医療介護費用が増加しているところに加えて、先進医療の開発はめざましく、そういった高度医療に費やされる医療費もかなりのボリュームになっています。一方で支える世代の減少ですから、行き詰まるのは必然の理であります。いかに世代間の不公平感を少なくしながら、全体のバランスをとっていくことができるのか、政策の手腕が問われると同時に、私たちの意識や行動変容も求められていることかと考えています。お世話になる医療費をなるべく少なくするということは、国の財政のためだけではなく、自分の健康を維持するために大変重要なことでもあります。昨今の経済不況に対する、過去の政策の責任論への賛否が二分していますが、いずれが正当かは脇においても、やはり国民の意識が変わることが大切なのではないかと感じます。何事も他人任せ、お上任せにしないというのが大事なのではないでしょうか。医療の面でも、自分が服用しているお薬の内容をあまりご存知ないという方は多いです。名前はややこしいので仕方がないとしても、いったいどういう状態のためにどんな薬効のものを飲んでいるのかということは、基本的なこととして把握しておいてもらいたいと常に思っています。診察の最後に、投薬しているお薬を一つづつ、薬効成分と病名とともに復唱するように心がけています。ポリファーマシーとか、処方カスケードという言葉があります。前者はとにかく多数の薬剤を処方されている状態を言います。後者もよく似ているのですが、簡単にいうとこうです。まず血圧が高い、塩分を控えるよう言われているがなかなか実行できず、さらに降圧剤が増える→副作用の足のむくみが出る→むくみをとるお薬が出る→その副作用の尿酸値上昇が出る→尿酸を抑えるお薬が出る・・・などという風になる現象ですね。これはほんの一例で、他にもいくつかパターンがあります。もちろん処方する私たちにもそういう現象に対する配慮が必要なことは第一ですが、複数の医療機関にかかると一元的に管理ができにくくなりますので、なかなか防ぎづらいのも事実です。あるお薬をちょっと控えたいのでけど、それは他のクリニックから処方されている・・・などという場合には、止める提案はなかなかできないのです。同種の胃薬を別の医療機関と調剤薬局で処方されているなんていうこともあります。秋にマイナンバーカードで一本化される予定の保険証は、一元管理のためのデジタルツールとしての役割を期待する部分でもあります。いつぞや世界保健機構が「健康を維持するために大切な8つの生活習慣」(だったかな?)を発表していたことがありましたが、決まりきった文言かもしれませんが、もう一度見直したいところです。それと、自分のお薬はどういうものなのかを知ることから少しずつ高めていきたいですね、医療リテラシー。ミジンコみたいに小さなことかもしれませんが、多くの人が実行することで結構世界は変わっていくのだと信じています。医療だけではなく、経済も、政治も、世の中ってそんなものではないでしょうかね。それでは呑気な休日モードに切り替えて過ごすことにいたします。皆さんも大型連休の初日(二日目か・・)、良い1日をお過ごしください!