5月27日 月曜日
溶血性連鎖球菌による感染症のニュースやコメントをしばしば見かけるようになりました。いわゆる溶連菌と呼ばれるものです。典型的には発熱、咽頭痛、皮膚発疹などを主徴とする扁桃腺炎を発症するタイプの細菌感染症です。亜型で劇症型のものもあるようですが、これは頻度は非常に稀なのですが、増加傾向にもあり最近注目されています。小児の細菌性扁桃腺炎として非常に頻度が高い溶連菌ですが、大人に感染することもあります。学校で流行して、自宅で兄弟や両親にもうつってしまうという例がありますね。咽頭痛が強く、発熱でぐったりしますが、細菌感染症なので抗菌薬で治療することができます。診断がついて服薬ができれば、翌日には快方に向かうことが多いです。自宅で子供さんが感染した時には、一応の感染対策を施すと良いと思います。食器やタオルなどを個別にしておくことも有効でしょう。過去の流行の状況はどうであったのか見てみましょう。
ペタッと基線に張り付いて、流行が抑えられていた理由は・・・お分かりですよね。そうです、マスクなどの有効性はかなりありそうです。
他の話題で、感染症関連で2,3日前に小さく報じられていましたが、SFTS(重症熱性血小板減少症)といわれるマダニ媒介感染症に対する治療薬が承認されたようです。アビガン(ファビピラビル)という元はインフルエンザの治療薬です。SFTSは一旦発症すると、致死率27%という手強いものなのですが、この薬剤を投与すると17%であったというデータがあるようです。ウイルス性疾患なので、なかなか有効とされる治療薬がなかったものですから、これは嬉しいニュースですね。